大阪・高槻市出身の阪神・福永に勇気をもらった

球界ここだけの話(1311)
生まれも育ちも大阪・高槻市の阪神・福永

 生きる力を届けるために。ただひたすらに、右腕を振る。6月18日、午前7時58分。大阪北部を中心に、震度6弱の地震が襲った。兵庫・西宮市にある阪神の球団事務所では、1階入り口付近の壁がはがれ落ちるなどの被害も。選手の独身寮「虎風荘」にいた、2年目の福永春吾投手(24)は揺れをこう振り返る。

 「久々に大きい揺れが来たと思って。震度4くらいかなとは思っていたんですけど、確認してみたらそれ以上の震度だったのでびっくりしました」

 生まれも育ちも大阪・高槻市。同市にある実家も被害を受け、水とガスが止まったという。近辺のスーパーでは生活必需品が次々と売り切れていったようで「家具が倒れたりはなかったみたいだけど…」と心配を隠せないようすだった。

 すぐさま、行動に出る。地震の翌日に車で約1時間かけて、寮から家族のもとへ。水14ケースやトイレットペーパー、食料などを持って、駆けつけた。「3日、4日くらいは持つと思う。車の後ろはもうパンパンになったくらいです」。物以上に、家族にとってはその行動が何よりうれしかったに違いない。

 昨年12月には「高槻市親子ふれあいベースボールの集い」で野球教室を行った。高槻市出身のプロ野球選手は愛敬尚史(元近鉄、楽天)、福田岳洋(元DeNA)、福永で3人目と多くない。「高槻でできるっていうのが特別ですね。少しでも野球に興味を持ってくれる子が増えたらうれしい」とあふれる地元愛を明かしていた。

 「いつも通り、できれば。1球目、1人目を大事にいきたいと思います」

 球団も、24日の広島戦(甲子園)で球場の内外に募金箱を設置。当然、被災者への支援が目的だ。福永自身は22日に今季初昇格をつかむも、2試合で5失点と結果を残せなかった。それでも、その姿に勇気をもらった被災者もいたはず。記者自身も、その一人だった。(竹村岳)

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