阪神・山崎、埼玉栄高時代に甲子園出場かなわなかったが聖地に立つ 

球界ここだけの話(1305)
5月27日の巨人戦で八回、適時打を放つ阪神・山崎

 休みに帰省すると、第100回全国高校野球選手権(8月5日開幕、甲子園)に向けた、地方予選の抽選会の様子が地元紙に載っていた。実際に取材する機会に恵まれた大阪桐蔭高在籍時の森友哉捕手(22)=現西武=の超高校級の打撃は今でも鮮明に記憶に残っているし、阪神のドラフト1位・馬場皐輔投手(23)、同3位・熊谷敬宥内野手(22)が仙台育英高に在籍していたときに夏の甲子園で出場した試合も記者席で目にしていたから、担当球団に入団することになったときは驚いた。

 高校球児にとっての聖地、と呼ばれる甲子園。地方予選のサバイバルを勝ち抜き、限られた者だけが立てる場所。活躍次第でプロへの道を切り開く場所でもあり、次の進路を決めるための最後の戦いの場に選ぶ選手もいるだろう。

 ただ、今季から阪神に入団した山崎憲晴内野手(31)は「いけなかったから何かが得られなかったかというと、そうではないと思います」と話す。自身は、埼玉栄高時代に甲子園出場はかなわなかった。「最後は自分のエラーで負けてしまった。でも、それから一生懸命練習したし、(甲子園に)いけなかったことも無駄ではなかった。今、タイガースのユニホームを着ていられていますから」。高校卒業後は横浜商大に進学し、大学日本代表にも選出され、プロ入りの切符をつかむまでに成長した。

 夏の悔しさを糧にしてたゆまぬ努力を続けてきたからこそ横浜、DeNAで出場機会を得て、2017年に戦力外通告を受けてもトライアウトを受けて阪神入りの機会が巡ってきた。

 ヒーローの存在は高校野球ファンの胸を熱くする。頂点に立てるのは1校だけ。ただ、負けから始まるサクセスストーリーも、球児の数だけ存在するに違いない。(新里公章)

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