西武の左腕・野田、悪性リンパ腫にかかったゴールデンレトリバーとともに闘う

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西武・野田

 2日に行われた西武-阪神(メットライフ)で糸井(阪神)が自身初の満塁弾を放ち、逆転勝利に導いた。痛恨の一発を浴びたのは、西武の3年目左腕、野田昇吾投手(24)。辻監督からは「勝っているのになぜ余裕がないのか」と厳しい言葉が飛び、翌3日に出場選手登録を抹消された。

 西武は、開幕前から強力打線に比べて投手陣が弱点とされてきた。中継ぎでは、昨オフに牧田がポスティングシステムで米大リーグ、パドレスへ移籍。チームトップの32ホールドをマークしたシュリッターも退団した。

 抑えで実績があり、昨秋トミー・ジョン手術から復活した高橋朋も左肩の違和感を訴えて、2軍調整中だ。

 そんななか、野田は5月中旬まで防御率0点台と奮闘。だが、徐々に痛打される場面が目立つようになり「全然ダメ。我慢して使ってもらっている。あとがない状況」と危機感を抱いていた。

 1メートル67、71キロの小柄な体格ながら、昨秋の第1回アジアチャンピオンシップで、24歳以下の日本代表にも選出されるなど成長著しい左腕。その男が愛してやまないのが、福岡の実家で飼っているゴールデンレトリバーのカール(♂4歳)だ。

 実はその愛犬が、血液のがんである悪性リンパ腫にかかり闘病中で、抗がん剤治療を受けている。男3人兄弟で末っ子の野田は「カールはぼくと似ていて甘えん坊。下がほしかったので弟みたいです」と溺愛。福岡遠征の際には実家に立ち寄って、散歩に連れていき「リードがなくても大丈夫なぐらいお利口なんです」と目尻を下げる。

 悪性リンパ腫はゴールデンレトリバーに比較的多く、10万頭に24頭の割合とのこと。人間と犬では異なるが、34歳の記者の母も二十数年前に同じ悪性リンパ腫にかかった。一時は生命が危ぶまれたが、今も元気に暮らしている。それだけにカールの病状が“人ごと”には思えないのだ。

 「何かいい情報があれば知りたい。カールは大事な家族。一緒にがんと闘っていく。カールも頑張っているので、ぼくも頑張ります」。野田が愛犬のためにも一日も早く1軍の舞台に戻る。(花里雄太)

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