(セ・リーグ、ヤクルト3-4阪神、15回戦、阪神10勝5敗、2日、神宮)キャプテン、覚醒!! 阪神はヤクルトに4-3で競り勝ち、4連勝。3-3の九回に坂本誠志郎捕手(32)の決勝5号ソロ本塁打が飛び出し、同一カード3連勝で後半戦3連勝スタートとした。坂本は四回にも4号ソロを放ち、1試合2発も2戦連発も自身初。チームは本塁打が出た試合は11連勝だ。巨人がDeNAに敗れたため、2位とのゲーム差は今季最大タイの「2」に。主将に導かれ、貯金も今季最多を更新して「13」だ。
神宮の夜空に勝利の放物線が描かれた。打った瞬間、左翼席に陣取った虎党は総立ち。試合を決めたのは、プロ11年目で打棒覚醒の女房役。胸に「C」マークを輝かせ、坂本がさっそうとダイヤモンドを周った。
「何とか塁に出て、代走が出てくれると思ったので、代走の選手に仕事をさせてあげたいなと、そんな思いでいました。みなさんの声援が(スタンドまで)届けてくれたと思います」
3-3のまま迎えた九回だった。マウンドにはヤクルトの守護神キハダ。2球で追い込まれるも、ファウルで粘ってフルカウントとし9球目。ど真ん中に投じられた直球を振り切った。打った瞬間の完璧な当たり。沸き返る左翼席と三塁ベンチ。手荒い祝福にも、最後まで気を緩めまいと表情は崩れなかった。
2度の雨天中断があった前夜の一戦は3号3ランを神宮に描いて勝利を決定づけた。そして、その勢いは、五回終了時に花火が夜空を彩ったこの日も止まらなかった。四回1死の第2打席で4号ソロ。そして決勝の5号ソロ。2試合連発も1試合2本塁打もプロに入って初めての感触だった。
「(好調の要因は)なんですかね…。あした(3日)休みなので、一日考えて頑張ります」
プロ11年目のシーズン。ここまでは順風満帆というわけではない。3月はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表として戦い、チームを離れることを余儀なくされた。その影響もあってか、藤川監督が4月後半に「坂本も少し苦しんでいる」と話したこともある。
緻密なチームプレーで生じるわずかなズレ。少しだけ狂った守備の歯車は打撃にも影響を及ぼし、前半戦は打率・192で終えた。今季から復活した主将制度で「C」マークを託された男だ。「今まで迷惑をかけているので、これから取り返せるように頑張りたい」と誰よりもチームに対する責任を感じていた。
「打てる球を早く仕留める。それはずっと大事な要素だと思っているし、それが今はいい形で出ている」
模索し続けた先に見つけた光で、打率・220まで上昇。坂本のおかげで下位打線も機能し始めた。藤川監督が「最初は少し劣勢に展開が進んだこともあったが(選手らが)いいようにしてくれた」とうなずくように、チームは同一カード3連勝で後半戦をスタート。貯金は今季最多の13。2位巨人が敗れ、ゲーム差は「2」に広がった。
「いい(後半戦の)スタートが切れてよかったです。横浜でもみんなの打球をスタンドまで届けるような熱い声援をよろしくお願いします」
夏の長期ロードは続き、4日から敵地でDeNA3連戦。絶好調の坂本が横浜でも勝利のアーチを架ける。(原田遼太郎)
■データBOX
❶阪神の4連勝は5月19-24日の5連勝以来で、今季3度目。後半戦3連勝スタートは2024年の7連勝、昨年の4連勝に続いて3年連続。
❷阪神はヤクルトに対し7月11日(甲子園)から5連勝。23年7月23日から9月26日にかけての9連勝以来、3年ぶり。
❸阪神の同一カード3連勝は、中止による振り替えで変則日程となった6月5、6、17日の楽天戦(甲子園)以来。セ・リーグ相手では5月22-24日の巨人戦(東京ドーム)以来で今季4度目。
❹阪神・坂本の2試合連続本塁打、1試合での複数本塁打はプロ11年目で初。シーズン5本塁打はキャリアハイ(2本塁打)を更新中。
❺阪神は本塁打が出た試合で7月7日の巨人戦(●3-4、東京ドーム)を最後に負けがなく11連勝となった。