阪神・藤川球児監督(45)が18日、甲子園で行われた指名練習に参加した。19日のDeNA戦(横浜)から再開するセ・リーグとの戦いに合わせ、高卒2年目の今朝丸裕喜投手(20)の1軍初昇格を決断。現有戦力の底上げを徹底し、球団史上初のセ・リーグ連覇に突き進む。
2年連続の頂点へ、藤川監督は着々と準備を進めていた。一塁側アルプス席からじっと見つめた指名練習。サングラスで隠された視線の先には-。セ・リーグ再開に向け、高卒2年目の今朝丸に白羽の矢を立てた。
「ロングリリーフ、複数イニングを投げられる投手が必要というところで、今朝丸を1軍に。明日(19日)から1軍で戦ってもらいます」
大抜擢の1軍初昇格だ。今朝丸は今季、ファーム・リーグで11試合登板(うち先発9試合)し、3勝2敗、防御率2.95。昨年の秋季キャンプから指揮官がたびたびその名を口にし、今年2月の春季キャンプも主力中心の宜野座組スタートと順調に成長曲線を描いてきた。
6勝12敗と苦しんだ交流戦。チームの中継ぎ事情は苦しい。湯浅京己投手(26)、畠世周投手(32)を故障で欠き、ラファエル・ドリス投手(38)はコンディションに一抹の不安を抱える。今朝丸は岡留英貴投手(26)に代わって登録される見込み。フレッシュな若虎を呼び込んだ背景には、虎将としての強い覚悟も垣間見えた。
「現場を預かる監督としては今いる戦力、選手たちの力を引き上げるために今日も練習してやっている。目の前の選手たちで明日からしっかり戦うということですね」
同じ日に行われた阪急阪神HD株主総会ではシーズン途中の補強を要望する声も飛んだ。もちろん、フロントと一体となって新戦力の獲得に尽力はする。ただ、監督という立場においては現有戦力の底上げが第一。だから、今朝丸を戦力として1軍に上げた。
「ブルペンコーチも工藤、木下が勝負を見込んでいける、勝負をかけたいと思っているでしょうから。そこに今朝丸を入れてまた向かっていく」
若き右の速球派の工藤泰成投手(24)、木下里都投手(25)が存在感が増す中、そこに加わる1ピース。初の1軍昇格に今朝丸は「前向きな気持ちで、今自分ができることを精いっぱいやりたい」と力を込めた。首位巨人と0.5ゲーム差、ヤクルトと同率の2位タイから再開するリーグ戦。藤川監督は決意を新たにする。
「(支配下)70人という組織の中で選手たちに前向きにプレーさせるのが僕の責任。やるでしょう、彼らは。やってくれると思いますよ」
若虎がもたらす新たな勢いを力に-。藤川阪神は混戦のセ・リーグを抜け出し、必ず2年連続の頂点に立つ。(原田遼太郎)
■今朝丸 裕喜(けさまる・ゆうき) 2006(平成18)年6月2日生まれ、20歳。神戸市東灘区出身。東灘小で野球を始め、横屋川井少年野球部に所属。報徳学園高では1年秋からベンチ入り。2、3年時に選抜大会準優勝。25年D2位で阪神入団。今季ファーム・リーグで11試合に登板し、3勝2敗、防御率2.95。188センチ、75キロ。右投げ右打ち。年俸720万円。背番号「28」
★平田2軍監督「本人にとっていい経験になる」
阪神・平田勝男2軍監督(66)は今朝丸の初昇格について「本人にとっていい経験になる」と期待を寄せた。さらに「藤川監督ならではの(起用)だと思う」と捉え、夏場に投手陣の疲労が見え始める時期を見据え「若いピッチャーが、という期待も含めて」と語った。昨季の1年目から成長を見守ってきた指揮官は「1軍を経験することで、また彼の成長が望まれるよね」と目を細めた。