将棋の藤井聡太棋聖(23)=竜王・名人など6冠=が服部慎一郎七段(26)と対局するヒューリック杯第97期棋聖戦五番勝負(主催・産経新聞社など、特別協賛・ヒューリック)の第2局が19日、栃木・日光金谷ホテルで指される。優勝賞金は特別賞を含め将棋界最高額の5000万円。両者は18日、東京・墨田区の東京スカイツリーの展望台を訪問し、リフレッシュしてから現地入り。対局室の検分を行うなど準備を整えた。
藤井棋聖と服部七段は地上634メートルの東京スカイツリーを初訪問。同350メートルにある展望デッキの眺望は流れの速い雲に覆われたが、藤井棋聖は「雲の切れ間から風景を見下ろすこともそうないので、新鮮です」と笑顔で高度感を満喫した。
今回は対局場の日光金谷ホテルまで浅草~日光・鬼怒川方面をむすぶ東武鉄道の人気特急「スペーシアX」を利用。とうきょうスカイツリー駅から乗車する前に訪れた。
サンケイスポーツなどの取材で「高いところは得意か?」と聞かれた藤井棋聖は「得意というと、どんどん高いところに連れていかれそうで…」とユーモラスにけん制すると「苦手ではなく、今日は楽しめました」と感謝していた。
逆境でも粘り強さが棋風の服部七段は「白い雲の眺めも新鮮です」と感性もポジティブ。高所の思い出を聞くと「(プロ棋士養成所の)奨励会員と一緒に(兵庫の)六甲山(約932メートル)を登りました」と明かした。
藤井棋聖も登山をあげ「子供のときに家族で行った(長野と岐阜にまたがる)乗鞍岳(約3026メートル)が人生で一番高いところ」と説明。雄大な景色に「もっと高い山があるんだと感じました」と振り返った。
検分で両者は対局場の照明や空調などをチェック。4日の第1局で先勝し、棋聖7連覇に向けて好発進した藤井棋聖は服部七段を「攻めが非常に強い」と警戒した。
第1局は「激しい展開で、しっかり方針を立てることができなかった」と分析。持ち時間の4時間を課題にあげ、「終盤は残り時間が切迫したので、(第2局は)時間配分を意識したい」と冷静に連勝を狙っていた。
タイトル戦初挑戦の服部七段は第1局で「苦しい時間が長く、藤井棋聖の読みの深さと精度を感じた」と地力を実感。「第2局はしっかり食らいついて、魂を込めて指したい」とリベンジに燃えていた。(山内倫貴)
★「コックピット」でゆったり
鉄道好きの藤井棋聖は「スペーシアX」で服部七段と1号車のコックピットラウンジに乗車。「車両の座席としては珍しくソファで、全面展望でゆったりと過ごせました」と説明した。東京スカイツリーは修学旅行生のほかに外国人観光客が多く、両棋士の訪問に手を振って喜んでいた。外国人観光客には東京~富士山~京都の旅が人気だが、東武鉄道の関係者は沿線の浅草~スカイツリー~日光エリアを「移動も便利なので旅行客に幅広くアピールしたい」と話していた。
★「ABEMA」で対局ライブ配信!!
五番勝負の全対局は、インターネット動画配信サービス「ABEMA」の将棋チャンネルで、対局開始から終局までライブ配信される。視聴は無料。