ベールを脱いだのはドラフト1位・立石だけではない。こちらも有望株、育成ドラフト1位・神宮僚介投手(22)=東農大北海道オホーツク=が、2軍のマウンドでプロ初登板を果たした。
「とても緊張しました。プロはやっぱり甘いボールを見逃してくれない。どんどん振ってくるっていうのが、大学とは一味違うと感じました」
5月3日に戸田で行われたヤクルトとの2軍戦。0-3で迎えた六回に、サイドハンド右腕が初めてプロのマウンドを踏んだ。先頭の松本龍に対して3ボールからスライダー2球でカウントを整えると、最後は力強い150キロ直球で空振り三振。続く松本直には本塁打を浴びたが、その後は西村を直球で空振り三振に斬り、沢野はスライダーで二ゴロに打ち取った。
1月に行われた新人合同自主トレで発症した下半身のコンディション不良のため、プロ入り直後の時間をリハビリに費やした。夢を抱え、意気揚々に飛び込んだ矢先のアクシデント。やるせない思いもあったが、西勇や下村、伊藤稜など、けがに悩まされた経験を持つ先輩からのアドバイスが前を向く原動力となった。
「リハビリの期間があったからって後々言えるように、そんな取り組みを日々の練習からこなしてきました」
やれることをやる。神宮はマウンドに立つ姿を想像し、リハビリメニューの質を上げることにこだわった。トレーナーと相談しながら高めの強度でウエートトレーニングを行うなど、患部に負担がかからないよう注意を払いながら体に鞭を打つ。その成果は確かに表れた。
「言葉でいうのは難しいですけど、いざ試合になったら今までとは違う感覚で投げられた」
初登板では自己最速を更新する151キロを計測。「自分の球に驚いた」と漏らすほど、積み重ねた時間は無駄ではなかったことを、マウンド上で証明した。
ただ、勝負の世界はそう順風満帆な道を歩ませてはくれない。2試合目の登板となった6日の広島との2軍戦(SGL)では救援登板するも⅔回を投げて3安打。1イニングを投げ切ることができなかった。「肩に力が入ってリリースが合わなかったり、対打者じゃなくて、対自分になってしまった」と反省。それでも、課題を認識したことは収穫だった。
5月12、13日には北陸地方で行われた独立リーグ2球団との試合で連投し、ともに1回を無失点。投げられる喜びをかみしめながら、腕を振っている。まずは2桁の背番号を-。背中に刻まれた「127」とともに、全力でアピールする。(萩原翔)
■神宮 僚介(じんぐう・りょうすけ) 2003(平成15)年5月27日生まれ、22歳。群馬県出身。小学3年から野球を始め、桐生第一高では甲子園出場なし。東農大北海道オホーツクから25年育成D1位で阪神入団。年俸300万円。178センチ、81キロ。右投げ右打ち。背番号「127」