米格闘技大会「UFC328」(9日=日本時間10日、米ニューアーク・プルデンシャル・センター)総合格闘家、平良達郎(26)=THE BLACKBELT JAPAN=と、王者ジョシュア・ヴァン(24)=ミャンマー=のフライ級タイトルマッチ。アジア人同士の誇りと技術が最高峰の舞台で激突した。
1回、平良は序盤にタックルでテイクダウンを奪い、グラウンドへ引き込むことに成功。ヴァンの粘り強い腰の強さに苦戦しつつも、後半には再び組み付き、マウントポジションから強烈なエルボーを叩き込むなど、挑戦者らしい攻勢で幸先の良いスタートを切った。
しかし、王者の牙は2回から剥き出しになった。スタンディングの攻防ではヴァンの鋭いジャブとハンドスピードが平良を上回る。平良も果敢にタックルを仕掛けテイクダウンを奪う場面を作るが、ヴァンは驚異的な柔軟性で致命傷を許さない。ラウンド終盤、平良が立ち上がった瞬間にヴァンの重厚な右のオーバーハンドを被弾。平良の顔面が赤く染まり始め、王者の打撃の圧力がオクタゴン内を支配し始めた。
3回、平良はタックルに行くも、ことごとく切られる展開が続く。中盤、ヴァンの連打を浴びて足をもつれさせた平良に対し、王者は怒涛のパウンドの嵐を浴びせる。さらにヴァンはバックを奪い、リアネイキッドチョークで平良の首を完全に捉えた。しかし、平良はこの絞めを驚異的な粘りで脱出し、なんとかゴングに救われる執念を見せた。
4回、息を吹き返したのは平良だった。闘志を前面に出し、スタミナの落ちたヴァンからテイクダウンを奪う。平良はトップポジションをキープし、スクランブルの中から一瞬の隙を突いて三角絞めを狙う。惜しくも外れたものの、グラウンドの展開で王者を追い詰め、逆転の望みを最終回へと繋いだ。
5回、平良は勝機を見出すため、前に出るが、ヴァンのジャブが正確に挑戦者の顔面を射抜き続けた。渾身のタックルもヴァンの鉄壁のディフェンスに阻まれ、次第に平良の体力が削られていく。後半、ヴァンが平良を金網に押し込み、アッパーから右ストレートの強烈な連打を浴びせる。平良の意識が飛びかけたその瞬間、レフェリーが割って入り、試合は止まった。
平良の顔は血で真っ赤に染まっていた。日本総合格闘技界の悲願は、あと一歩のところで王者の剛腕に砕け散った。
★UFC(ユー・エフ・シー)
Ultimate Fighting Championship(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の略で、米国最大の総合格闘技団体。総合格闘技選手が最も目標とする舞台で、世界中のトップ選手が集結している。日本人選手は、平良達郎、堀口恭司、朝倉海、鶴屋怜、中村倫也らが参戦中。