(セ・リーグ、阪神1ー0広島、5回戦、阪神3勝1敗1分、26日、甲子園)阪神・藤川球児監督(45)が167試合目で監督通算100勝を達成。巨人・原辰徳氏に並ぶセ・リーグ最速記録となった。実に4試合ぶりの勝利で、12日ぶりに首位に再浮上や!
勝利の瞬間、藤川監督はサングラスを外した。4番の一撃でもぎ取った1点を投手陣が守り切る。阪神の象徴、〝守り勝つ野球〟で成し遂げた監督通算100勝。野球界に打ち立てた金字塔に、あらわになった虎将の表情が少しだけ緩んだ。
「阪神タイガースのチームワークが結果として表れているというのは単純にうれしいですね。タイガースの組織がとりおこなえている証しが出ているわけですから非常に満足しています。ベストっていうことですから、きょうまでは」
就任から通算167試合での100勝は2003年の巨人・原辰徳監督と並んでセ・リーグ最速記録。黙々と積み上げた勝ち星の背景には選手への徹底したコンディション管理があった。
健康であることが一番。選手のコンディションを支えるトレーナー陣とは2月の春季キャンプ中に食事会を催し、思いを一つにした。「出発する前としては非常にたくましいシーズンになるんじゃないかという風に。またそうしなければいけないという責任があるなと感じています」。監督としてまず第一の役割は頼もしいナインを健康な状態でグラウンドに送り込むこと。
就任当初から掲げる「凡事徹底」、「没頭」。今年は加えて「黙って積む」と口にするようになった。球場入りすれば他球団の映像などを見て、データ収集にいそしむ。目の前の1勝、長いシーズンを見据えたチーム作り、そして「阪神タイガースを100周年に向けて作り上げる中での一つの今役割」と球団創設100周年に向かう組織づくりのため。凡事徹底を繰り返し、野球に没頭し、黙って研さんを積み上げてきたのは藤川監督に他ならない。
甲子園の監督室には愛読書「覚悟の磨き方」が置かれている。幕末の異端児・吉田松陰の名言が書かれた人生における哲学書。指揮官自ら虎ナインにも勧めたこの本には、30年に満たない生涯で日本の歴史を変えた吉田松陰が、覚悟を持って残した思いが込められている。
「選手たちがグラウンドで素晴らしいパフォーマンスを残し、さらにうまくなりたいと磨いてくれている。ファンの方も選手を期待している。少しずつですけど、阪神タイガースとしての結果が見えてくるとまた頑張ろうかなと思えますね」
まだ道半ば。次の通算101勝目、そして球団史上初のセ・リーグ連覇に向かって。藤川球児監督に率いられ、阪神は覚悟を持って歩みを進めていく。(原田遼太郎)