送検のため京都府警南丹署を出る、逮捕された安達優季容疑者を乗せた車両=16日午後0時33分 ■4月20日 京都府南丹市で小学5年だった安達結希さんが遺体で見つかった事件では、次々に報じられる養父・安達優季容疑者(37)の言動には憤りが増すばかりだ。警察が安達容疑者のスマホを解析したところ結希さんが行方不明になった頃、遺体遺棄の方法などを検索した履歴があったという。遺体を複数箇所に移したと供述している。
最初に通学用リュックが道路脇で見つかったときは、大胆不敵な誘拐犯か誰かが仕掛けたトリックとも思われた。ふたを開けてみたら、神経質そうな養父がさしたる策略もなく追い立てられるようにリュックや靴、さらに遺体までも無造作に置いて、一時しのぎしたとしか思えない。
ワイドショーなどの報道の嵐でまさに〝一億総刑事化〟した今回。養父逮捕の報に「ほら、オレの言った通りだろう」と鼻を膨らませた御仁も多かったろうが、いうのは簡単だ。鑑識や科捜研も動員した警察の地を這うような捜索を目のあたりにし、裏付け捜査の重要性を改めて知る。テントの下に左右揃えて並べられた物証の靴の空撮映像も衝撃的だった。
残る最大の謎は動機…。かつて松本清張は殺人に至る動機を徹底的に掘り下げ、社会性を加えた新感覚の推理小説で一世を風靡した。養父は「首を絞めつけて殺した」と逮捕前の任意の聴取で供述したというが、動機がはっきりしない。血のつながりがない息子とはいえ、そこまで冷酷非道になれるのか。
高校までサッカーに打ち込み卒業後は電気機器メーカーに勤務。「パソコンが得意で仕事ができる」と社内の評判も悪くなかったという。その男がなぜ…。清張の世界、とまでいかずとも理不尽な事件の全容を早く知りたい。(今村忠)