まあ、ことしの阪神は、1勝で喜ぶレベルではない。「4つ勝つ」のが目標であって、それが福岡であろうが、甲子園であろうが、どこでもいい。戦前の予想や噂は、最近の阪神には関係ない。
2年前のシリーズ初戦だってそうだ。オリックスの絶対的エース・山本由伸(現ドジャース)を相手に、世間は「阪神は何点取れるか?」と危機感MAXだったが、始まってみれば、阪神打線が7点を奪い、六回途中でKOしてしまった。あの1勝が38年ぶりの日本一に直結したことを、みんなが覚えている。
日本シリーズに嫌な記憶がある男がいた。当番デスクの川端亮平だ。2005年のロッテvs阪神。千葉のスタジアムでの初戦は、濃霧により試合続行が不可能になり、まさかのコールド負け。
「当時のデスクから『なぜ、千葉で霧が発生するのかを調べろ』と言われて、気象台に必死で電話取材しました」
日本シリーズで霧の取材した記者は、川端ぐらいだろう。しかも霧で始まったこのシリーズは、阪神まさかの4連敗…。
「あのトラウマがあるんです。きょうは、ドームでは霧が発生することはないから、安心してはいますが、やっぱり勝てていない球場は気になります」
不安いっぱいだったデスクだが、トラ番キャップ・須藤佳裕も実は不安を抱いていた。
「みなさん、中日の本拠地・バンテリンドームが鬼門と言いますが、ボクはこのドームが一番の鬼門だと思っています。ことしは福岡に来る予定はなかったのに…」
来てしまった。須藤はまだ新聞記者になる前の14年の日本シリーズで、中村晃のサヨナラ3ランも、西岡剛が守備妨害でホークスの優勝が決まった瞬間も、現地で目撃したという。
デスクやトラ番キャップの弱腰をはるかに上回るパワーを持つのが藤川阪神。シリーズが終わったら、福岡で漢字テストをやり直しましょうか? 「もうこ」は「猛虎」が正解です!