実は今季、佐藤輝のこの動作を本当によく見かけた。頻繁、と言っていい。直近の中日戦(15日)でもあった。
遊撃手としてゴールデングラブに輝いた経験を持つ名手に取材した。やはり、中野はベースカバーに入るのが遅いという。
「佐藤輝の〝逡巡プレー〟は異常に多い。理由は簡単。中野が後ろに守っているから。後方の打球でファインプレーを繰り返している大きなプラスはあるけれど、二塁ベースから離れている分、肝心な封殺、併殺プレーにはリスクが生じている。内野は個人のうまさも大事だけれど、連係のほうがもっと大事」
聞きながら、野球の紙一重は、こんなところでも見られるのか、と思うと楽しくなるが、同時に「やっぱり守備の評価は難しい」と思い知らされる。
佐藤輝や、阪神の遊撃手たちに「二塁送球しやすいかどうか」を聞いてみたい気がするが、本音は無理だろうなぁ。
筆者はずっと以前から、ゴールデングラブに関しては、選手間投票のほうがいい、と主張してきた。
ただし、ことしも投票するのは新聞記者など。放棄するわけにはいかない。自分の意見だけでは自信はない。できるだけ多くの球界OBに取材して、専門家の目を参考にして、結論にたどり着きたい。
■上田 雅昭(うえだ・まさあき) 1962(昭和37)年8月24日生まれ、京都市生まれ。86年入社。近鉄、オリックス、阪神を担当。30年近くプロ野球を見てきたが、担当球団が一度も優勝していないのが自慢(?)