無人の甲子園に津田学園(三重)のナインの肉声による校歌が響き渡った。14日の2回戦で対戦予定だった広陵(広島)が出場辞退したことで不戦勝となった津田学園に、日本高野連から「特例措置」として同日の全試合終了後、観客も退場後に甲子園で約1時間の練習機会が与えられた。
午後4時から始まった練習では実戦形式のシート打撃に45分間を割き、最後に2分残して校歌を歌った。佐川竜朗監督(47)は「どうしたら、子供たちが一番笑顔になれるかと分刻みでスケジューリングしました。次に向けて、2回目の校歌を歌ってからじゃないと、本当の意味でリセット、気持ちを切り替えられないと思ったので」と説明した。
不祥事案による大会開幕後の辞退は史上初めてとあり、不戦勝となった津田学園も一躍脚光を浴びる存在となった。ただ、恵土湊暉主将(3年)は「僕たちは基本、目立ちたがり屋。どんな状況であれ、注目されることにプレッシャーは感じない。何なら、(広陵には)『自分たちの名前を広げてくれてありがとう』って感じです」と動揺はみじんもない。
3回戦の相手は横浜に決まった。佐川監督は「正直、高校生じゃない」と圧倒的戦力差を認めながらも、「夏は勢い次第。強いチームが勝つというより、勝ったチームが強い」とジャイアントキリングを狙う。(東山貴実)