先発した山梨学院・菰田陽生=甲子園球場(撮影・根本成) 第107回全国高校野球選手権大会第7日第1試合(12日、聖光学院2-6山梨学院、甲子園)2回戦3試合が行われ、3年ぶり11度目出場の山梨学院は、今春の選抜大会8強の聖光学院(福島)を破り、2016年以来9年ぶりとなる夏1勝を挙げた。最速152キロの菰田陽生(こもだ・はるき)投手(2年)が、甲子園初先発で6回⅓を投げ、2安打1失点。山梨大会では救援に回っていた身長194センチの大型右腕が六回まで無安打無得点と好投し、チームを1957年の創部以来初の3回戦へ導いた。
〝怪物2年生〟が甲子園のマウンドで圧倒的な存在感を放った。「7番・投手」として出場した山梨学院・菰田が6回⅓を投げ、2安打1失点。六回まで無安打無得点の快投を見せ、自己最長イニングを投げ切った。
「抑えること、この試合に勝つことだけを考えていた」
甲子園デビュー戦となった今春の選抜大会では救援で登板し、2年生最速タイとなる152キロを連発。全国の舞台で一躍注目を浴びた大型右腕が真夏の聖地でも衝撃を与えた。これまで公式戦では救援登板がほとんどだったが、今夏初先発で今春の選抜8強の聖光学院に六回まで安打を許さなかった。
この日の最速は147キロ。自己最速には5キロ及ばなかったが、16歳にしてドジャース・大谷を上回る194センチの長身から投げ下ろす角度のある直球を武器に圧倒した。横山悠捕手(3年)は「(角度があるから)一発で捉えらえることはあまり経験したことがない」と明かし、抑えられた要因は「やっぱり体がでかいから」と笑った。
整列する山梨学院・菰田陽生=甲子園球場(撮影・根本成)194センチ、100キロの大器。菰田は小学6年のときにはランドセルが背負えなくなるほど大きくなっていたという逸話を持つ。恵まれた体格は桁外れの量の食事で養った。普段は寮生活だが、千葉の実家に帰省した際には自ら米を炊き、4合を平らげる。母・理恵さんは「いい水加減を知っている。主婦みたいな感じ」と目を細め、菰田自身も「体づくりがピッチングにつながっている」とうなずいた。
早くも来秋のドラフト上位候補に挙がる2年生の好投で、チームは2016年以来9年ぶりの夏1勝を挙げ、初の3回戦進出を決めた。23年の選抜大会を制したが、夏の甲子園では思うような成績を残せていなかった。「ひとつでも多く勝って、この甲子園という舞台で3年生と長く野球をしたい」。大谷をほうふつとさせる長身右腕が、山梨学院の歴史に新たな1ページを刻む。(橋本真緒)