完封勝利を飾った尽誠学園・広瀬賢汰=甲子園球場(成田隼撮影) 第107回全国高校野球選手権大会第7日第3試合(12日、尽誠学園3-0東大阪大柏原、甲子園)尽誠学園(香川)は東大阪大柏原を3-0で下し、8強入りした2002年以来、23年ぶりの勝利を挙げた。「4番・投手」で出場した広瀬賢汰主将(3年)が、6安打無四球完封勝利を飾り、打っても五回に2点打を放った。
エースで4番でキャプテン。最近ではめったにお目にかかれない漫画のヒーローのような広瀬が投打の活躍で2002年以来、23年ぶりに夏の初戦突破に導いた。
「『まず1勝』と昨日のミーティングで自分から伝えたが、それができたことがすごくうれしい」
来春からDH制が採用されるため、今後ますます少なくなる「4番・投手」として戦った主将が、真っ白なマウスピースを輝かせながら仲間と勝利を喜んだ。
打者としては五回に自らを援護する2点打を放ち、投げては108球で完封勝利。同校出身の投手では、日米通算106勝を挙げた伊良部秀輝も1986、87年夏の甲子園でなし得なかった無失点白星だ。
五回、適時打を放った尽誠学園・広瀬賢汰=甲子園球場(恵守乾撮影)大阪・堺市出身ながら、中学時代は大阪桐蔭や履正社など府内の強豪と互角に渡り合う自信がなく、香川に出て寮生活を経験しながら自分を磨いて挑戦する道を選んだ。
「寮生活は自分のことをすべて自分でしないといけないので自立することができる。仲間とずっと過ごして、他の高校生とは違う青春を送ってきたのは自分たちの強み。毎日ミーティングしたり、一緒にご飯を食べたり、一緒にお風呂に入ったり、絆の部分がすごく力になっている」
仲間との密な関係が勝負強さにつながり、大阪桐蔭を倒して甲子園に乗り込んできた東大阪大柏原を撃破。香川勢は大阪勢との甲子園の春夏通算成績を9勝4敗とし、尽誠学園としては3度目で初勝利を挙げた。西村監督は「出身は大阪ですけど、香川県代表としての思いを持って戦ったことが大きいと思う。彼も香川県の方々に元気を与えると言っていたのでよかった」と目を細めた。
「チームが勝つためなら何でもやる」
投打はもちろん、姿勢でもチームを引っ張る広瀬は力を込めた。同校の過去最高成績となる1989、92年の4強を超え、香川勢としては27年の高松商以来、98年ぶりとなる全国制覇が目標だ。(上阪正人)
■広瀬 賢汰(ひろせ・けんた) 2007(平成19)年4月16日生まれ、18歳。大阪・堺市出身。小1からソフトボールの野田サザンファイターズでプレーし、野田中では堺初芝ボーイズ所属で投手。尽誠学園では1年秋からベンチ入り。最速143キロでカーブ、スライダー、チェンジアップが持ち球。高校通算5本塁打。50メートル6秒5。遠投100メートル。趣味は温泉、サウナ。179センチ、82キロ、左投げ左打ち。背番号「1」