野村克也さん自身初の日本一。西武との日本シリーズを制した(1993年11月1日撮影) 6月29日は2020年に84歳で亡くなった野村克也さんの誕生日。生誕90年を迎える。
サンケイスポーツでは毎週木曜発行紙面で、ノムさんが自身初の日本一監督になった1993年のノートを公開。各球団の投手の傾向やクセなどを書き記されたものを、ご本人に見てもらい、感想を語ってもらう連載がスタートした。
くしくもこの93年は長嶋茂雄さんが巨人監督に復帰。同年の両軍初対決で松井秀喜さんがデビューし、2戦目でプロ初本塁打を放っている。その長嶋さんも3日に89歳で旅立った。
生前のノムさんは「藤田(元司)監督のときは、それほど巨人を意識することはなかった。巨人に勝たなければ優勝できない。『打倒巨人』は変わらないのだが、やはり長嶋の存在は特別。『あんな監督に負けてなるものか』と全く意気込みが違った」と、再三挑発し球界を盛り上げた。
もっとも監督・長嶋にはライバル心をむき出しにしたノムさんだが、選手・長島への思いは違った。
「ささやき戦術が通じなかった」とよくネタにしていたが、現役時代を振り返り「打ってこないのかなと思ったら、突然バットが出てきて、カーンと弾き返された。スイングスピードは歴代ナンバーワンだった」。
「俺は長嶋みたいに運動神経が発達しているわけではない。不器用だから配球を読んで打つしかなかった」
「オフの日米野球で『チョーさん、疲れてるんだから休みなよ』というと『俺を見に来てるファンがいるから、休めないんだよ』と言うんだ。さすが長嶋!! 俺はそんなこと考えたこともなかった」
「長嶋とイチローのように、普通に野球をやってるだけでカッコいい。それが本物のプロだ」と称していたものだ。
2018年2月、サンマリン宮崎で行われた巨人-ホークスOB戦でのこと。長嶋さんは一塁側ロッカーから三塁側ロッカーまで足を運びノムさんを訪ねたが、まだ来場していなかったため引き返し、再び足を運んだ。