生意気な新人ジョシュア(ダムソン・イドリス、左)と頂点に挑む大ベテランのソニー(ブラッド・ピット)。シンプルでええやん!© 2025 Warner Bros.Ent. All Rights Reserved. 「トップガン マーヴェリック」の製作・監督・脚本スタッフが再結集したブラッド・ピット主演最新作。小難しいところは全くございません。これぞ、シンプル・イズ・ベスト!!
「国宝」の勢いが止まりません。2時間55分の長尺もなんのその。取材に行けば他社の演劇担当記者さんや劇場宣伝さんから「実際、どうなんですか」。さらに興収を伸ばしそうです。
本作の試写前も宣伝女子たちが口々に「見ましたよ。スゴかった!」。ただし、絶賛するだけじゃありません。
「こっちは2時間35分だから20分短い! この1回目の試写では、皆さん『面白かった!』って。悪い声も全く聞きませんでした」とA嬢が熱く推す。「国宝」級!?
始まりは、米フロリダで開催されるデイトナ24時間レース。ブラピふんする初老のソニーが深夜帯を走ってチームを7位から首位に押し上げ、そのまま優勝する。しかし、提示された長期契約は拒否した彼はデザートレース、バハ1000に参戦しようとメキシコを目指します。
そこに現れたのが、今シーズン9戦を残して、前半戦は最下位に低迷しているF1チームのオーナー、ルーベン(ハビエル・バルデム)。ソニーは30年以上前、彼と同じチームでコンビを組み、あのシューマッハやセナと上位を争うF1レーサーやったんです。
しかし、レース中の事故で重傷を負って引退。ニューヨークでタクシー運転手をしていたこともあり、10年後にレーサーとして復帰するも、私生活ではギャンブルで自己破産してもうてた。
「ウチのルーキーは天才だが、若い。半年かけて開発したマシンが届くんだ」。そう口説くルーベンですが、実は7人に断られ、1人は返答保留中で〝第9の男〟やったソニー。一度は断るも、クラッシュしてしまったテストランで手応えをつかむと、「これが始まりだ」と英国グランプリからの復帰を決めます。
その後、老獪(ろうかい)な裏ワザを駆使して、自信過剰な新人ジョシュア(ダムソン・イドリス)と〝上〟を目指していくソニーには肉体に〝爆弾〟が…。
-という、ジョセフ・コシンスキー監督ら「トップガン マーヴェリック」チームによるお話そのものが、分かりやすく手堅くて面白い。
加えて世界チャンピオンに7度輝く現役F1ドライバーのルイス・ハミルトンがガッツリ全体を〝監修〟。軽快なサントラに乗せて、かつカットを細かく割ったレース場面は、F1全面協力でGP開催中の本物のサーキットコースを使ってて、F1に関心のない方も全く飽きさせません。
ブラピが、こんなにも〝ブラピらしい〟エンタメ王道の主人公を演じるのはいつ以来やろ。木村拓哉と共演した「グランメゾン・パリ」を及川光博は「中年ジャンプ」と例えてましたけど、まさに、それ。トム・クルーズやキムタクも、見たら悔しがるやろなぁ。(笹井弘順)