特別始球式を務めた大阪桐蔭高OB・福森大翔氏=京セラドーム大阪(撮影・斉藤友也) (日本生命セ・パ交流戦、オリックス-巨人、3回戦、15日、京セラドーム)大阪桐蔭高で2013年春夏の甲子園に出場し、希少がんで闘病中の福森大翔さん(29)が特別始球式を行った。
この日マーチング演奏を披露した大阪桐蔭高の吹奏楽部が応援曲で福森さんを迎え入れた。高校時代の同級生でともにプレーした森友哉捕手(29)が今回の特別始球式の捕手を務めた中、力強い直球を投げ込み、森がジャンプするほど勢いのある球がミットに収まった。拍手の中、森がマウンドに歩み寄り、抱擁を交わした。
「最初は(森)友哉の顔しかみえなくて、高校時代を思い出したりとかしたんですけど、落ち着いてくるにつれて球場全体を見渡せるようになった。友哉が和らげてくれたかなと」
大阪桐蔭では外野手として活躍し13年夏の甲子園では2回戦の日川高(山梨)戦ではサヨナラ打を放った。立命大でもプレーした。就職し、中学生のクラブチームのコーチをしていた4年前に希少がんを発症。ステージ4まで進行し、転移するなど闘病生活が続いている。
「同じ病気で戦う人の希望になりたい」とこの日の始球式を決意。抗がん剤の投薬による体調悪化で当初5メートルも投げられなかったが約2カ月間、練習を繰り返してきた。「欲を言うならストライクと思っていたんですけど届かせるところからの始まりでいろんな人のサポートのおかげでこの日を迎えて18メートルを投げられて本当によかった」とうなずいた。
これからの目標を「自分の病気をしっかりと治すということと、いろんな人の支えがあって今があるということを少しでも多くの人に伝えていければという風に思います」と話した。
森は「始球式で投げることになったと本人から聞かされたときは驚きました。彼の嬉しそうな表情を見て、その日から僕も今日の始球式を楽しみにしていました。彼と僕との関係性を言葉で言い表すのは難しいですが、少なくとも僕にとっては彼はかけがえのない親友です。始球式は驚くほど強いボールでした。投げられないときを知っているだけに、嬉しい気持ちを込めて『よく届いたな』と声をかけました。母校の応援演奏も力になったのではないでしょうか。彼が一日も早く完全寛解の日を迎えることを願っています。オフにはまた2人でキャッチボールをしたいと思います」とコメントした。