5月に米ネバダ州ラスベガスのMGMグランドで井上尚弥(左)と再会したノニト・ドネア プロボクシングのWBA世界バンタム級暫定王座決定戦が14日(日本時間15日)、アルゼンチン・ブエノスアイレスで行われた。元世界5階級制覇王者で同級5位のノニト・ドネア(42)=フィリピン=が、同級8位のアンドレス・カンポス(28)=チリ=に3-0の9回途中負傷判定勝ち。世界王座返り咲きを果たした。
1回から頭がぶつかり合う展開。試合の大部分はドネアが主導権を握り、6回にもバッティングが起きた。9回の前半にバッティングでドネアが右目の外側に切り傷を負い、視界がふさがった。ドクターチェックの末にレフェリーは試合終了を宣告。リングアナウンサーが判定を読み上げ、88-83、87-84、87-84でドネアの勝利をコールすると会場からは歓声が上がり、大きな拍手が起こった。カンポスも拍手を送り、レフェリーがドネアの左手を挙げると、右手も挙げて冷静に歓喜。腰に世界王座ベルトが巻かれると、右手でガッツポーズした。
ドネアは約2年ぶりの再起戦がいきなりの世界戦。不完全燃焼に終わり「このようなことになってしまい残念。アルゼンチンの人々に私の闘志とファイター魂を見せたかった」と話した。そして「次回も全力を尽くし、ベストを尽くす。今日の勝利は私にとっても、この機会を得たアルゼンチンにとってもすばらしいものだ」と感謝を示した。直近2戦はスーパーフライ級のノンタイトル10回戦を闘って1勝1敗のカンポスは2度目の世界戦だった。今後はスーパーフライ級かフライ級に戻る予定だ。
WBA世界バンタム級は正規王者だった堤聖也(29)=角海老宝石=が、目の手術を受けた影響で医学的な理由などで防衛戦を行えない「休養王者」に認定され、暫定王者だったアントニオ・バルガス(28)=米国=が正規王者に昇格したばかり。バルガスは初防衛戦(7月30日、横浜BUNTAI)で同級3位の比嘉大吾(29)=志成=の挑戦を受ける。
ドネアは前回の4月度ランキングでWBA世界バンタム級5位に急にランクイン。カンポスは5月31日(日本時間6月1日)に発表された最新の5月度ランキングで、WBA世界同級8位にいきなりランクインしており、大いに疑問が残る暫定王座決定戦だった。ドネアはバルガスvs比嘉の勝者との団体内王座統一戦に進むとみられるが、復帰した堤と正規王者の団体内王座統一戦が優先される可能性が高く、今後の展開は不明瞭だ。
この世界戦はWBAラテンアメリカ総会の最中に開催された2日連続興行の最終日のメインイベントとして行われた。プロ戦績はドネアが51戦43勝(28KO)8敗、カンポスが21戦17勝(6KO)3敗1分け、堤が15戦12勝(8KO)3分け、バルガスが21戦19勝(11KO)1敗1無効試合、比嘉が26戦21勝(19KO)3敗2分け。(尾﨑陽介)