2028年ロサンゼルス五輪に向かって始動した男子バレー日本代表。今月5日に行われたキックオフ会見に、りんとした目つきで臨んでいた若者がいた。オポジットの高橋慶帆(けいはん、21)=法大4年=だ。代表初選出だった23年にアジア大会で日本の銅メダル獲得に貢献したアタッカーは、新体制でのレギュラー奪取に向け「チャンスがあればつかみにいきたい」と静かに力を込めていた。
身長194センチの長身に加え、特筆すべきはその驚異的なジャンプ力から生み出される〝高さ〟だ。身長だけを見ると、今年度の日本代表登録メンバー43人の中で13番目の高さだが、スパイク時の最高到達点357センチは同361センチの高橋健太郎(ミドルブロッカー、身長201センチ)に次ぐ2位。21年東京五輪でフランス代表を金メダルに導いたロラン・ティリ監督からも「高さは武器だから、そこは生かしてプレーするように」と期待の声をかけられている。
中学2年でサッカーからバレーボールに転向し、高校は千葉の強豪・習志野へ進学。3年連続で春高バレーに出場した。その後は法大へ進学し、昨年の秋からは、さらなる成長を求めて仏リーグのパリ・バレーに加入。9月に腰を痛めた影響で出場機会は限られたが、かけがえのない貴重な経験を積んだ。渡仏直後は「いつもはブロックの上から打っていたようなボールが、(ブロックされて)気づいたら自分のコートの下に落ちていることがあって、最初はびっくりした。すぐ下に落ちているので、あれ?ってなりました」と振り返るほど、日本とは異なる高さのブロックに苦戦した。それでも「日ごろから高いブロックと対峙(たいじ)する環境」に身を置き、ひとりで切磋琢磨(せっさたくま)。次第に順応していき「高いブロックに対しての打ち方を学んだ。そこを生かしていきたい」と語る。
今季はパリ五輪代表オポジットの西田有志が代表活動を休養する意向を表明。高橋慶にとってはアピールの好機となる。「西田さんが休むからという理由ではなくて、自分がステップアップしてチームに求められる選手になることが一番。1枠空いたからではなく、まずは自分の成長を第一にやっていきたい」。現在行われているネーションズリーグ第1週中国大会の出場登録メンバー14人にも名を連ねた新進気鋭の21歳が、ロサンゼルス五輪で表彰台を狙う日本代表の中で、存在感を放つ。(鈴木和希)