プロ野球日本シリーズ中に米大リーグ、ドジャース・大谷翔平らが出場したワールドシリーズ(WS)のダイジェスト番組を放送したフジテレビの取材パスを没収した日本野球機構(NPB)に対し、公正取引委員会(公取委)は11日、独禁法違反(競争者に対する取引妨害)に当たる恐れがあるとして行政指導である警告を出した。
公取委は、NPBと野球コンテンツで競争関係にある米大リーグ機構(MLB)との取引を妨げ、番組編成の制約につながり得ると判断。ただ、NPB側は「公取委の解釈は完全に誤っている。無理やり、取引妨害に仕立て上げられた。警告書を見ても、誰が競争者かも分からない。(放送権ビジネス事業者の)電通がわれわれの競争者であるならあり得るが、大リーグとフジテレビの間の取引はそもそも存在しない」(植村幸也・担当弁護士)と〝徹底反論〟した。
一方でNPBでは昨年11月11日に、今後類似のケースが起きた場合、取材証の回収などは行わないことを機関決定。中村勝彦事務局長はこの日、「(警告を)受け入れております」とし、公取委に対して名誉毀損(きそん)による損害賠償請求などの法的措置も取らないとした。
同局長は取材パスの没収について、「その時の判断というのは、他局さん、スポンサーなどとの関係性を考えて、そうせざるを得なかった」と、適切な判断であったと改めて強調。日本シリーズ中継の放映権については、出場球団が放送局をNPBに推薦して最終決定されるが、同局長は今秋の日本シリーズでフジテレビが地上波中継する可能性について「十分にあります」とした。