プロボクシングの日本ユース・ウエルター級タイトルマッチが10日、東京・後楽園ホールで行われた。元WBA、WBC世界スーパーウエルター級王者の輪島功一氏(81)の孫で、王者の磯谷大心(23)=輪島功一スポーツ=が、日本同級11位の加藤大河(21)=DANGAN越谷=に6回2分48秒で逆転TKO勝ち。初防衛に成功した。
〝聖地〟後楽園ホールが沸騰した。6回後半、両者が壮絶なフックの打ち合いを見せ、磯谷のパンチがヒット。起死回生のダウンを奪い、試合再開後にロープにつめてラッシュを浴びせると、レフェリーは試合を止めた。
「勝てて安心しています。大歓声の中でやれたときは最高の感覚でした。自分も効かされていたので、本当にほっとしました」
前半は有効打を当てられずに加藤にペースを握られ、4回終了後の公開採点では38-38、37-39、37-39とリードを許す。6回の前半に右ストレートを被弾して「記憶を飛ばされた」と大ピンチを迎えたが、何とかしのいでからの大逆転劇だった。
加藤には昨年12月の王座決定戦で2-0の8回判定勝ち。加藤は3月の再起戦で日本ランカーを撃破していたが、磯谷にとっては2連戦だった。1戦目の経験から「絶対に後半バテると思っていた」と前半にプレスをかけ、相手のスタミナを削った作戦が逆転勝ちにつながった。
会場で応援した輪島氏は「我慢強さはある。それは母親に似た。もっとカバー(ガード)をしっかりしないといけない。結果が良ければすべて良しだけど、もっとボクシングをしないといけない」と愛のあるアドバイスを送った。
日本ランキングは9位で、今回の勝利で上昇が見込まれる。「今持っているベルトよりも大きいベルトを狙いにいく。声がかかったらやります」とユース王者は卒業し、日本王座か東洋太平洋王座かWBOアジア・パシフィック王座に照準を合わせる意向を示した。
加藤は退場後に嘔吐(おうと)し、救急車で病院へ緊急搬送された。興行は動画配信サービスのFODプレミアムで独占生配信された。プロ戦績は磯谷が12戦9勝(6KO)3敗、加藤が11戦7勝(2KO)4敗となった。(尾﨑陽介)