7日に行われた長嶋茂雄さんの通夜であいさつする喪主の三奈さん(読売新聞社提供) 3日に肺炎のため、89歳で死去した巨人元監督、長嶋茂雄さんの葬儀・告別式が8日、東京・品川区の桐ヶ谷斎場「雲」で非公開で営まれた。7日に行われた通夜で、喪主を務めた次女の三奈さん(57)があいさつし、脳梗塞のリハビリに取り組む父を励ますため、まな弟子の元巨人、松井秀喜氏(50)と「(巨人の)監督やるやる詐欺」の約束を交わした秘話などを明かした。8日の告別式では松井氏が弔辞を読み、「私は長嶋茂雄から逃げられません。これからもそうです。それが私の幸せです」と感謝の思いを伝えた。後日、お別れの会が開かれる。
多くの人に愛された、ミスターとの別れ。祭壇は、次女の三奈さんが希望したジャイアンツカラーのオレンジ色の花で明るく囲まれた。「ミスタープロ野球」と呼ばれ、国民的スターだった父への愛があふれ出た。喪主を務めた三奈さんが、7日に行われた通夜で追悼の思いを語った。
「父は本当に太陽のように大きくて、明るくて暖かい日差しを私たち家族に毎日降り注いでくれました。父の話が出ると、もう周りの方が皆さん、一瞬にして笑顔の花がぱっと咲いて、父ってどこにいてもいろんな方を笑顔にするんだなと。ちょっと恥ずかしながらも、娘としては誇りに思っておりました」
長嶋さんが巨人の監督に復帰して臨んだ1992年秋のドラフト会議で4球団競合の末に当たりくじを引き当て、自宅でマンツーマンの素振り指導をするなど、師弟関係でともに2013年に国民栄誉賞を受賞した松井氏との秘話も披露した。「父は松井さんが世界で一番好きな方。もし松井さんと私が同時で海に溺れたら、父は私じゃなくて真っ先に松井さんを助けに行くだろうなと本気で考えたこともある」と振り返る。
2003年に松井氏が巨人から米大リーグ、ヤンキースへ移籍後、「父は居ても立ってもいられず、ニューヨークに駆けつけ、格式高いホテルのスイートルームから『松井、バットを持って今すぐ来い』と電話をしたそうです」と述懐。「松井さんはびっくりされて、『今からですか?』と、バットを小脇に抱えて隠すように、ホテルのロビーを歩いて行った。無言で素振りの音だけが部屋に響いていたと後で聞きました」と語った。