フォークボールの握りでポーズを決める鈴木昭汰。ロッテの救援サウスポーがさらに進化を遂げた(撮影・中井誠) 各球団のキーマンに直撃するキャンプ期間のインタビュー企画「大志~ambition」の最終回はロッテ・鈴木昭汰投手(26)が登場。2021年のドラフト1位左腕はプロ入り後の3年間で思うような結果を残せず、すがるような思いで頼った松井裕樹投手(29)=米大リーグ・パドレス=との自主トレで飛躍のきっかけをつかみ、昨季は51試合登板で防御率0・73とブレーク。今の目標は守護神の座と、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での〝師匠〟との共演だ。(取材構成・片岡将)
--プロ入り後は3年間で2勝7敗。ブレークのきっかけになったのは2023年シーズン後の自主トレだった
「やはり松井さんとの自主トレは大きかったです。そこで練習して、3-5月に防御率0点とうまくスタートダッシュが切れたことがブレークにつながりました」
合同自主トレを行うロッテ・鈴木昭汰とパドレス・松井裕樹--松井投手との自主トレはこのオフも継続。どんなことを重点的に
「朝から夕方までやりますが、技術面、マウンドでの考え方や栄養面、どれとは選べないくらい充実した時間です」
--自主トレ中の1日のスケジュールは
「朝は6時に起き、お風呂に入って体を温める。ご飯を食べるのも栄養を意識しながら。松井さんは栄養面の知識も豊富で、勉強させてもらっています。8時前に出発し、着いたらヨガで体のバランスを整える。それから体幹トレーニングや、関節と筋肉を動かすモビリティー系のトレーニング。ボールを投げる日はキャッチボールをしてランニング。それで午後1時半か2時くらい」
--それが午前の練習
「そう。その後、お昼を食べて移動して、ウエートトレーニングをしたら宿舎に戻るのは午後5時から6時。ご飯は3食、みんなで一緒に食べるので、自然と体づくりのための栄養素の話や野球とかトレーニングの話になります。寝る以外は野球漬けです」
--技術やトレーニングだけでなくマウンドでの考え方も参考になると
「自分の理想を高く見積もりすぎないというか。去年は防御率が0点台とすごくよかった。これを続けようとすると、窮屈になってしまう。毎登板投げるのは1回として、10試合に1点しか許されないというのは苦しい考え方。これを『防御率1点台で許容すると5試合に1点。ずっと続けたら防御率1・90で回れるよ』と松井さんに話してもらった。考え方1つで全然楽になる。1点取られても『次の4試合を頑張ればいい』と前を向ける。僕は50試合登板を1つの目安に置いています。50試合は一日一日の積み重ね。それプラス、行けるところまでという感じです」
--これまでは直球とスライダーの2球種が中心。自主トレでは新たにフォークも練習していた
「実戦初登板だった22日の試合(中日とのオープン戦で1回無安打無失点、1三振)では、まずは一番大事な真っすぐを確認したかった。次の登板からはフォークも試していきます」
--松井投手は『高め合える存在になっている』と話していた
「松井さんは師匠なんですけど、自分を見て焦ってほしいというか、すぐ後ろに近づいているくらいに行かなきゃ駄目だと思っています。それが最高の恩返し。そうなったらもう最高っす。目標は『2人で来年のWBCに選ばれよう』と話しているんで」