プロ野球で出場機会に恵まれない選手を他球団が獲得する現役ドラフトが9日、非公開で行われ、全12球団で計13選手の入れ替えが決まった。今年が3度目の開催。参加を希望した球団のみで実施する2巡目が初めて成立し、広島が2選手を指名した。ヤクルトは広島から矢崎拓也投手(29)を獲得。2017年のドラフト1位右腕で、通算149試合に登板するなど救援として実績十分。3年ぶりのV奪回へ、投手陣の整備は最重要課題となっており、高津臣吾監督(56)は期待を寄せた。
3年ぶりのV奪回を目指すヤクルトが、補強ポイントに合致する選手を獲得した。広島から移籍する矢崎は、球団を通じてコメントを発表。古巣への感謝と新天地で再起をかける決意を示した。
「突然のことで驚いていますが、良い転機として受け止めたい。8年間お世話になった広島東洋カープに心から感謝申し上げます。東京ヤクルトスワローズの勝利に貢献できるよう、ベストを尽くしたいと思います」
2022年から導入された現役ドラフトは、今年で3回目。午後1時から非公開でオンライン開催され、同6時に日本野球機構(NPB)から指名結果が発表された。今回は初めて広島が2巡目指名し、計13人の移籍が決定した。
矢崎は慶応高、慶大を経て17年にドラフト1位で広島に入団。23年には54試合に登板するなど通算149試合に登板した実績十分の救援右腕だ。8年目の今季は26試合で1勝1敗、防御率3・60、10ホールド。ヤクルトの本拠地、神宮球場は東京六大学リーグで使用しており、縁もある。
高津監督は「もちろんリリーフ」と起用法を明言。「非常に特長のある投手。特長を生かせる場面で登板させてあげたい。長所は球の強さとフォーク(ボール)」と期待した。2年連続リーグ5位の今季、チーム防御率3・64はリーグワースト。投手陣の整備が急務で「優先順位はやっぱり投手」と明かした。
過去2回では成功例がある。第1回の細川成也(DeNA→中日)は2年間で47本塁打を放ち、今季はベストナイン賞を受賞。大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)は2年間で23勝を挙げた。第2回の水谷瞬(ソフトバンク→日本ハム)は今季交流戦MVPを獲得するなど打率・287、9本塁打とブレークした。
「移籍するのはとてもいいこと。現役ドラフトも成功例がいくつでもあるので、今回も成功者がたくさん出てくることを望んでいる。(矢崎も)もちろん、そうだと思って指名させていただいた」と高津監督。覇権奪還に向けた戦力として、期待がかかる。(赤尾裕希)