七回、適時打を放ったドジャース・大谷翔平=ドジャースタジアム(撮影・水島啓輔) ドジャース7-2パドレス(26日、ロサンゼルス)米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)がナ・リーグ西地区3連覇に貢献した。メジャー取材9年目の山田結軌記者(41)が、大谷の初優勝について独自の視点で分析する。
勝利の瞬間、大谷はやや控えめに両手を挙げて、三塁側のダッグアウトを出た。勝利を渇望し、やっとつかんだ初の地区優勝。その割には〝喜び爆発〟というわけでもなかった。
53本塁打、56盗塁。歴史的な活躍はチームの勝利を最優先にしたゆえ、積み上がった数字だ。個人成績とタイトル争いには、何度も無関心なコメントを残した。優勝争いの緊迫感が活躍の源泉になっている。
「打ち方どうのこうのと言うよりも〝気持ちの打席〟が多かった。そういう意味では、より集中して、試合に臨めた」
地区2位のパドレスが猛追する状況が、勝利への執念を強めた。プレッシャーのかかる局面では、ことごとく安打を放った。この日の七回のV打で直近7試合の得点圏では11打数10安打、4本塁打、15打点。「本当にヒットを打つことだけを考えて、他の打席とやることを変えずに自分の打席にまず集中」。究極にシンプル化した思考法でシーズン最終盤の戦いを楽しんでいる。
パ軍と3ゲーム差で迎えた天王山3連戦の第1戦だった。2-4の九回無死一、二塁。大谷はネクストバッターズサークルでバットを振りながら、笑顔をみせていた。結果的に三ゴロ三重殺で敗戦を迎えるが、重圧のかかるはずの打席が巡ることが待ち遠しく、楽しみにしているかのようだった。
その前にはワクワク感が強すぎたのか、1人分早くネクストバッターズサークルに立ってしまい、思わず苦笑い。早く打席に立ちたい、打ちたい、勝ちたい。試合では誰よりも野球を楽しむことで、才能と努力の成果を発揮しているのではないだろうか。(大リーグ担当)