青木宣親(右)とハートマークを作るヤクルト・オスナ(右から2人目) ふと神宮球場を見渡すと毎試合、同じ場所で固唾をのんで戦況を見つめる外国人たちがいる。ヤクルトのホセ・オスナ内野手(30)の家族だ。チームに欠かせない存在である助っ人にとって、いつも総出で球場に足を運んでくれる一番の応援団が原動力となっている。
今年で来日3年目。1年目の2021年は新型コロナウイルスの影響による入国制限のため、家族と離れ離れの日々を過ごしていた。昨年から制限が緩和されて、夫人のカルラさん、長男のヒルベルトくん、長女のカルラ・ソフィアちゃんと日本で暮らすようになった。家族がそばにいることでオスナは「本当に心強い。なかなか自分がプレーで結果が出ないときでも、家に帰ってプライベートの面で支えてくれる。そういう存在がいるというのは何よりもうれしい」と感謝する。オフに子供たちと公園でキャッチボールなどをして遊ぶ時間が何よりの息抜きだ。
そんなオスナ家で今年から新たな挑戦が始まった。9月で14歳となったヒルベルトくんが、中学の硬式野球チームに所属し始めたのだ。ポジションは父と同じ内野手。日本語はあまり話すことができないが、簡単な英語やジャスチャーなどでコミュニケーションを取りながら毎日のように練習に励んでいる。
「なかなか練習や試合を見に行けないのが、心苦しくて…。彼(ヒルベルトくん)にはいつも応援してもらっているので、心から応援したいと思っている」
シーズン中で多忙なこともあり、なかなか息子の雄姿を見る機会がなかったが、念願かなってようやく今月19日のオフ日に初めて見学に行くことができた。日本の文化を学びながら、新しい環境に挑戦する愛息の姿に「すごくうれしい気持ちが父としてある。今後も野球選手の道を歩むかはわからないですが、どんな道でも息子のことを全力で応援したい」と親の顔をみせた。
本塁打を打った後に見せるハートマークは来日1年目にベネズエラで遠く離れて暮らしていた家族への愛のメッセージとして始めたものだ。今季は25日時点で自己最多の23本塁打をマーク。いつも球場に駆け付け近くで見守ってくれてもなお、たくさんの愛情を送り続けている。(森祥太郎)