延長十二回、相手の暴投で三走・友杉は決勝のホームに滑り込んだ(撮影・尾崎修二) (パ・リーグ、西武1-2ロッテ=延長十二回、20回戦、ロッテ13勝7敗、18日、ベルーナD)野手17人中16人をつぎ込んだ総力戦を制した。タクトがさえたロッテ・吉井理人監督(58)は起用に応える活躍を見せた選手をたたえた。
吉井理人監督 =ベルーナドーム(撮影・尾崎修二)「こっちは勝負をかけて代走を出している。選手はそれを分かってくれていて、しっかり走ってくれた」
勝負の〝二手〟がはまった。一手目は0-1の九回。ポランコが出塁すると、代走の切り札である和田を送った。次打者の2球目で二盗に成功。2死二塁から安田の右前打で同点のホームを踏んだ。際どいタイミングだったが、迷わずホームへ。ヘッドスライディングで生還し、延長へ持ち込んだ。
9回、安田尚憲の右適時打でロッテ・和田康士朗が生還。捕手・柘植世那 =ベルーナドーム(撮影・尾崎修二)二手目は延長十二回。1死二塁で山口に代わって、二走に友杉を起用した。佐藤都の左中間への飛球は浅かったが、左利きの左翼手、ペイトンの捕球後の投げにくい体勢を見越して三塁へタッチアップ。吉井監督が「よく走ってくれた」と話す好走塁でチャンスを広げ、続く藤原への暴投の間に勝ち越しのホームを踏んだ。友杉の進塁が呼び込んだ決勝点だった。
クライマックスシリーズ進出争いは2~4位までが4・5ゲーム差の混戦。シーズン終盤で負けられない戦いが続く中、こだわってきた先の塁を狙う走塁が、貴重な1勝を生んだ。(武田千怜)