後半、スクラムを組む両チームの選手ら。日本も鍛え上げた成果は見せた。右端はリーチ・マイケル(撮影・福島範和) ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会1次リーグD組(18日、イングランド34-12日本、スタッド・ド・ニース)1次リーグD組の日本(世界ランキング14位)は第2戦で前回準優勝のイングランド(同6位)に12―34で敗れた。強力FWを擁する難敵を相手に、日本はスクラムが一歩も引かずに奮闘。後半は一時1点差に迫ったが、11度目の対戦で歴史的初勝利を挙げることはできなかった。日本は1勝1敗で勝ち点5のまま。力勝負で自信を得た日本は、FWが重いサモア(同11位)との第3戦(28日=日本時間29日)で2勝目を目指す。(ペン・石井文敏、カメラ・福島範和)
日本の大黒柱のFLリーチがゴールポストに寄りかかって座り込んだ。ラグビー誕生から200年。競技発祥地の代表チームに真っ向勝負を挑み、後半途中まで善戦しながら不運なトライで流れが傾いた。主将のNO・8姫野が唇をかんだ。
「100%準備して自分たちに期待していたので、その反動は大きい。率直に悔しい」
2003年大会を制したイングランドに、前半は9―13と食らい付いた。13-52と大敗した昨秋の対戦で立て続けに押し込まれ、反則を重ねたスクラムが奮闘。FW8人が一体となって、1人平均で1・2キロ重い相手に微動だにしなかった。
国内合宿で新たなスクラムマシンを導入して強化を図ってきた。ニュージーランド製の本体に土台を1・6トンのコンクリートで固め、水1トンが入る重しを合わせて総重量は約2・8トン。ビルの壁を押すような過酷な練習で積んだパワーアップの成果を発揮した。