八回終了時に選手交代を告げる岡田監督。また牧を抑えられなかった(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、阪神2-3DeNA=延長十回、24回戦、阪神13勝11敗、18日、甲子園)苦手意識を植え付けられたままでは終われない。同じ相手にホームでの敗戦を5つも並べられ、同じ打者にばかりカンカン打たれる現状をひっくり返す。岡田監督はDeNAの4番・牧封じへ、語気を強めた。
「牧ばっかりやもんな。だからお前、やられっぱなしでな、ばっかりやったらあかんもんな」
牧に全3打点を食らった。0-0の六回2死二塁で3番手・加治屋が直球を詰まりながらも中前打にされ、痛恨の先制点を献上。一度は追いついたが、延長十回に6番手・石井が右翼線への2点三塁打で勝ち越され、そのまま競り負けた。甲子園でのDeNA戦はこの日が最後。同カードは甲子園5連敗となり、1999年以来24年ぶりの屈辱だ。
負の歴史を刻む〝原因〟となったハマの主砲は対阪神戦で打率・352、7本塁打、23打点と打ちまくり、甲子園に限れば同・389にアップする。虎将もバッテリーの攻めについて、「だから、アウトコースばっかりやからな。その辺はお前のう、大事なところなったらのう」と改善を求めた。クライマックスシリーズ(CS)で対決する可能性を考えれば、傾向と対策は完璧にしたい。これ以上好き勝手させないためにも、攻略法を確立する。
18年ぶりのVを達成した「9・14」を含め、12日からの7連戦はこの日で終了。指揮官も重圧と戦いながらセ界制覇を成し遂げた打線について、「ちょっと疲れとったからな。みんなバット振れてないしな」とお疲れモードは認めつつ、ここからも短期決戦を見据えた起用法でチームの状態をさらに上げていく。
「また8連戦やからなあ、最後、おーん。まあそれはもう、ちょっと休ませながらやるよ」
20日の巨人戦(甲子園)から8連戦がスタート。主力の状態や、タイトル獲得の可能性を見極めつつ、連戦を乗り越える。CSファイナルステージは10月18日が初戦。再び甲子園でDeNAと激突したときは、牧を完璧に封じ込める。(新里公章)