阪神が3安打3打点を許したDeNA・牧秀悟=甲子園球場(撮影・安部光翁) (セ・リーグ、阪神2-3DeNA=延長十回、24回戦、阪神13勝11敗、18日、甲子園)今一度、配球データを洗い出しせよ─。現役時代は捕手として南海、西武に所属し、引退後は阪神など3球団でヘッドコーチを歴任した黒田正宏氏(75)=サンケイスポーツ専属評論家=は、3安打で全3打点をマークしたDeNA・牧への対策として、インコースと緩急の使い方をポイントに挙げた。
牧は相手の主砲で、リーグ上位の打率、本塁打、打点をマークする手ごわい打者。延長十回に許したような長打をいかに防ぐかが課題になる。
これまで抑えていたときには、インコースをうまく使えていた。決勝打の場面も、初球、2球目と内を突いたが、最後に打たれたのは外角の真っすぐ。内に2球続いたからこそ、次は外だと読まれたのかもしれない。センターから右に打つのがうまいタイプなので、いかにインコースを意識させるかが大事になる。仮にCSで対戦することになったときの舞台は甲子園。改めて球場の広さを生かす配球をしてほしい。
もう一つは、うまく緩急をつけることだ。この日に許した3安打の結果球はすべて真っすぐだった。一方で、唯一の凡退だった八回の三ゴロは、スライダーで打ち取っている。4打数無安打に封じた17日も、4打席中3打席の結果球は変化球だった。
17日の先発は力のある村上で、18日は今季初先発の長坂がマスクをかぶっていた。それでも、ここまで対戦を重ねてきて、牧に関する打球方向などのデータは出ているはず。CSのような短期決戦では、弱点をしっかり攻めていかないといけない。ファイナルステージまで時間があるので、他球団がいかに抑えているのかを含めて、今一度、見直す必要がある。
29日はDeNA戦、30日、10月1日は広島戦と、シーズンのラスト3試合はCSで当たる可能性が高い相手との対戦になる。そのときは投打ともにベストメンバーで臨むことになると思うが、データを整理して、気持ちも入れ替えて戦わないといけない。(サンケイスポーツ専属評論家)