9回にブドラー(左)がダウン。レフリーストップで寺地が勝利を飾った(撮影・中井誠) Prime Video Presents Live Boxing第5弾(18日、東京・有明アリーナ)メインイベント「WBA・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ」は、統一王者の寺地拳四朗(31)=BMB=が、WBC1位・WBA同級4位のヘッキー・ブドラー(35)=南アフリカ=を迎え撃つ防衛戦。9回、寺地が相手をロープ際に追い込むと、ラッシュをかけてTKO勝ちを収めた。
現役統一王者の猛ラッシュに35歳の元統一王者は反撃する気力さえ残っていなかった。寺地が9回2分19秒TKO勝ち。リングの上で満足そうな笑顔を浮かべた。
「タフな相手でなかなか倒せなかったが、KOできて良かった」
ノラリクラリとかわしてくる、という戦前の予想に反して序盤から前に出てきたブドラーと激しく打ち合い、7回以降は一転、距離を取ってこられても逃すことなく、仕留めた。
一昨年9月、WBC世界ライトフライ級王座の9度の防衛戦で、挑戦者の矢吹正道(緑)にTKOでプロ初黒星を喫し、泣き崩れた日から2年。そこには進化を続ける王者の姿があった。この日は5回に偶然のバッティングで敗れた矢吹戦と同様、右目上をカットしたが、問題にしなかった。
自身初の4連続KO勝ちで、世界戦は通算13勝(9KO)。リングサイドで見守った長谷川穂積、山中慎介に並ぶ歴代4位となった。
そんな寺地が今後、どこへ向かうのか。4団体統一か、フライ級に上げての2階級制覇か。「次は3団体(統一)にいきたい」。リング上で高らかに宣言した。(月僧正弥)