陸上のダイヤモンドリーグ・ファイナル女子やり投げで優勝し、笑顔の北口榛花=ユージン(ゲッティ=共同) 世界最高峰シリーズの年間上位者で争う大会。女子やり投げで世界選手権金メダルの北口榛花(25)=JAL=が63メートル78で優勝した。日本勢がファイナルを制するのは初めてで、北口は今季4勝目、通算6勝目となった。男子3000メートル障害で世界選手権6位の三浦龍司(21)=順大=は8分15秒45で5位だった。
満開の笑みで世界最高峰の舞台で頂点に立った。8月の世界選手権(ブダペスト)覇者の北口が、圧倒的な力で年間女王に輝いた。
「今日必要だったのは勝つこと。しっかりこの場で勝てたことが、すごくうれしい」
練習拠点としている欧州から大会前々日の14日に米国入り。連戦と移動の疲労で「正直、体は限界だった」が、2回目に63メートル78まで伸ばしてトップに浮上すると、その後は誰も北口の記録に迫れず、2位に2メートル48の大差をつけて逃げ切った。
チェコで生活するようになって5年、日常的に他選手の動向をチェックするようになった。「何かテレビを見たいけど、なじみのものが何もなくて。スポーツチャンネルを見て、女子のやり投げで知っている選手や日本人が出ていると見るようになりました」。トップ選手の戦い方や調子を確認しながら自分と向き合った。
今季はDLで5戦4勝、2位が1度。世界の舞台で結果を残し、日本記録も2度塗り替えて67メートル38まで伸ばした。
来年のパリ五輪は金メダルの筆頭候補。「他の選手もまた一段上げてくるので、それについていけるようにしたい」。まだまだ進化していく。