日本シニアオープンを制した藤田寛之(日本ゴルフ協会提供) 男子ゴルフ・シニアツアー、日本シニアオープン最終日(17日、石川・能登CC(6993ヤード、パー72)首位に1打差の2位から出たレギュラーツアー通算18勝の藤田寛之(54)=葛城GC=が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算10アンダーでシニア初の日本タイトルを手にした。前年覇者のプラヤド・マークセン(57)=タイ、山添昌良(55)=サーボ=が通算9アンダーで2位だった。
大粒の汗を拭って走り切った。最終18番(パー5)で藤田は1メートルのバーディーパットを沈め、両手を突き上げた。
「シニアに舞台がかわっても、日本タイトルはプロゴルファーだったら一度は手にしたいもの。信じられないです」
前日好調のショットが乱れ、前半のパーオンはバーディーだった2ホールだけ。小技と驚異の9パットでくぐり抜け、後半は耐え抜いた。首位に並んで迎えた18番はティーショットを左ラフに入れたが、低い球で目の前の木の間を抜き見事フェアウエーへ。3打目をチャンスにつけた。
40代でレギュラーツアー12勝を挙げて、2012年には賞金王にもなった。だが50代に入ると体力も低下。「選手としての下り坂を楽しみたい」と練習量を減らしつつ、最近はヨガも取り入れ、戦う体を整えてきた。
「楽しみながら降りていきたい。悲観せず。下りにも楽しみが待っている」。54歳でつかんだシニア日本一の称号を手に、藤田の歩みは続く。(阿部慎)
■藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969(昭和44)年6月16日生まれ、54歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始める。香椎高から専大へ進み、92年10月にプロ転向。レギュラーツアーは97年「サントリーオープン」の初優勝など通算18勝(うち3勝は国内メジャー)。2012年に4勝を挙げ43歳で賞金王。シニアツアー通算3勝。得意クラブはパター。168センチ、70キロ。