ノイジーが16日の広島戦(マツダ)で放った1試合2発の弾道は、パワーヒッターのような力強い放物線だった。長距離打者ではない助っ人が放った7号、8号のホームランも効き、勝利を収めた。個人的には、アレを達成して浴びた〝アレ〟が大好きなN砲の存在が、ポストシーズンのカギだと思っている。
「素晴らしい経験です。日本に来て1年目でこういう経験ができるのはなかなかない。特に、阪神タイガースはこの優勝を待ち望んで、ファンやフロント、本当にみんなが待ち望んだ優勝です。こういう機会をもらえて感謝しています」
同日の試合後にセ・リーグ制覇への喜びを改めて口にした。今季121試合に出場し、打率・242、8本塁打、51打点(数字は16日時点)。左翼手でも堅実なプレーでチームを支え、18年ぶりのセ界制覇に貢献した。
真面目で〝職人肌〟なノイジー。好みもこれと決めたら、一貫している。大のビール党。最近はハイボールも覚えたが、銘柄は何でもいい。だが、ビールは違う。「今夜行く店には、〝アサヒ〟はある?」。家族とともに試合後に向かうレストランに、阪神のオフィシャルスポンサーを務める『アサヒビール』の有無を確認するほど、ハマっている。
「9・14」の歓喜を甲子園球場で経験し、その後大阪府内のホテルで行われた祝賀会。岡田監督のテレビインタビュー中に、ノイジーは両手に抱えたアサヒビールの瓶ビールの中身を虎将にぶっかけ、声を張り上げた。もちろん、N砲はすでにビショビショだった。球団関係者によると、屋外に置いてある瓶ビールの温度は常温だったらしい。キンキンに冷えていたわけではないが、勝利の美酒の効果はすぐに出た、のかも。
上位打線が出塁できれば、ポイントゲッターの働きが期待されるだけに、クライマックスシリーズで助っ人の存在は重要だ。辛口な指揮官の期待に応え、ノイジーが虎党が欲してき頂点への〝渇き〟を潤す活躍をみせる。ガンガン打って、グビグビっと相手チームを飲み干してみせる。(新里公章)