日本戦はスクラムやラインアウトといった強みのセットプレーを軸に攻撃を組み立ててくる。また、昨年11月に日本が13―52で敗れた際はFBスチュアートら大型選手と競うハイボールキックに苦しんだ。そしてSOフォードの活躍。あえて僕の好きな酒で例えるなら「ウイスキー」だろうか。ロック(固いセットプレー)でもハイボール(高いキック)でもおいしい。セットプレーを軸にしても、キックに頼っても勝てるからだ。
日本が勝つにはスクラムとラインアウトの安定が大前提。競り合うコンテストキックに対する意識を高めて、ボールキープしてほしい。何より不可欠なのは攻撃のサポート。前回のイングランド戦は、80分通して前に出てくるディフェンスに苦しんだ。チリ戦ではサポートが遅れてジャッカル(倒れた選手からボールを奪う)されたり、球出しが遅れたりする場面があった。相手に防御から主導権を握られれば、ロックかハイボールで攻められて窮地に陥る。
大野氏はチリ戦で6本のキックをすべて成功させた松田の復調を好材料に挙げたイングランド戦はトライチャンスも多くはないだろう。集中力を保つ必要があり、PGの3点を積み重ねることが必要だ。その点で6本中6本のキックを成功させたSO松田の復調は大きい。チームとして万全な状態で向かってほしい。(元日本日本代表LO、BL東京アンバサダー)
■大野 均(おおの・ひとし) 1978(昭和53)年5月6日生まれ、45歳。福島・郡山市出身。清陵情報高では野球部で、郡山市にキャンパスのある日大工学部でラグビーを始める。関東大学リーグ所属の日大ラグビー部とは別の東北地区大学リーグで腕を磨き、2001年に東芝府中(現BL東京)入り。04年5月の韓国戦で日本代表初キャップを獲得。07、11、15年と3度のW杯に出場し、日本代表最多98キャップ。20年5月に現役引退。「均(きん)ちゃん」の愛称で親しまれる大の酒豪。座右の銘は「灰になってもまだ燃える」。現役時代のサイズは192センチ、105キロ。