2022年10月期に放送されたTBS系日曜劇場「アトムの童(こ)」が「コンテントアジア賞2023」(8月24日開催)のベストアジアドラマ部門で最優秀賞を受賞したことが4日、発表された。
アジア最大規模のエンターテインメント業界誌「コンテントアジア」が毎年開催している国際テレビ番組見本市「コンテントアジア・サミット」併設される形で、2020年に始まったのが「コンテントアジア賞」。アジア各国から選抜されたエンターテインメント・ビジネスの関係者が審査員を務め、アジアで制作され2022年4月以降に放送されたコンテンツを厳正に審査。今年の授賞式はタイのバンコクで開催された。
「アトムの童(こ)」は俳優、山﨑賢人が主演し、ゲーム業界が舞台。山﨑演じる、ある事件をきっかけにゲーム開発から離れていた若き天才ゲーム開発者・安積那由他(あづみ・なゆた)が廃業の危機にひんした老舗玩具メーカー「アトム玩具」と手を組み、ゲーム業界の大資本企業に立ち向かい、成長してゆく姿を描いた。
審査員からは「人々を奮い立たせて、心温まる。エキサイティングなゲームの世界を舞台としながらも、物語の中心にあるのは家族と友情、そして夢の実現だ。これは普遍的な魅力だ」などと評価された。
プロデューサー、中井芳彦氏のコメント
「ゲーム業界」という「日曜劇場」のイメージには少し異質の題材でしたが、国際的なドラマアウォードで選んでいただき光栄です。既存のイメージも大切にしつつ、それに捉われず世界と未来に向かって「TBSドラマ」ブランドがもっと拡張していくと良いなと思います。このたびはありがとうございました。
脚本・神森万里江さんのコメント
伝えたかったのはものを創る人の情熱です。取材でお会いしたクリエイターの方々は皆さん、「ゲームが好きだ!」「おもちゃが好きだ!」という熱い愛情がほとばしっていました。それを受け、私も改めて「ドラマが好きだ!」との熱い思いで脚本を書かせていただきました。『アトムの童』をきっかけに、日本のエンタメに興味を持つ人が増えてくれたらうれしいです。
監督の岡本伸吾氏のコメント
このたびは受賞ありがとうございます。ドラマの中で天才ゲームクリエイターの主人公が放つ言葉は「ゲームの面白さはアイデアだ」でした。クリエイターならば誰もが目標にする「アイデアで勝負する」。そんな矜持(きょうじ)をまさに現場でスタッフ・キャストと共有しながら撮影いたしました。これを機に日本だけではなく、たくさんの人に『アトムの童』を楽しんでいただけると幸いです。この番組に携わった全ての方に、感謝申し上げます。