三回、三振に倒れた阪神・中野拓夢=エスコンフィールド北海道(撮影・松永渉平) (日本生命セ・パ交流戦、日本ハム4―3阪神、2回戦、日本ハム2勝、10日、エスコン)今季初の3連敗となったが、心配なのは1番・近本と2番・中野だ。
6月に入って近本が調子を落としているのは気がかりだし、中野は1安打したが、3三振の内容が悪かった。今季の中野はしっかりとボール球を見極め、昨季より大幅に四球が増えているが、この日は大振りが目立った。近本の分まで自分が打たないといけないという気持ちがあるのかもしれないが、振り回したときには調子が落ちる。もう一度、自分のスタイルを見つめ直してほしい。
この2人でどれだけ多くチャンスを作れるか。連敗ストップはもちろん、再加速に向けて、やはり1、2番がキーマンになってくる。
先発の大竹は一回にいきなり江越に四球を与え、続くマルティネスの適時二塁打であっさり先制された。立ち上がりが安定している投手なので、いつものパターンと違い、序盤はリズムに乗れなかった。これまで一度も負けていなかったことや、チームが連敗していることで、プレッシャーがかかっていただろうし、疲れが出始める時期というのも影響があったと思う。ただ、本塁打は2本ともソロで、失点も1点ずつだったので、うまく気持ちが切り替えられ、四回以降の好投につながった。
大竹は尻上がりによくなっていたし、連戦で中継ぎを少しでも休ませたいため、八回の続投は当然といえる。無死一、二塁にされた時点で、首脳陣も左打者の加藤豪までと考えていただろうが、そこで打たれてしまったのは仕方がない。大竹には初黒星を前向きにとらえ、気持ちを整理して次回登板を迎えてもらいたい。(本紙専属評論家)