メジャー通算100勝目を挙げ、笑顔を見せるパドレス・ダルビッシュ有=デンバー(共同) 【デンバー(米コロラド州)9日(日本時間10日)=山田結軌】パドレスのダルビッシュ有投手(36)がロッキーズ戦に先発し、5回1/3を5安打4失点で今季5勝目(4敗)を挙げ、メジャー通算100勝を達成した。日本選手では123勝を挙げた野茂英雄に続く2人目の快挙。日本ハム時代に93勝を挙げており、日米通算200勝まで「7」とした。試合は9-6で勝った。
勝利後のクラブハウス。チームメートに促され、ダルビッシュが音頭を取った。「ヨ~オッ!!」。三三七拍子の手拍子が響く。2週間前から始まった勝利の儀式だ。
MLB通算100勝を達成した196センチの右腕はその後、洗濯物用のカートに入れられ、シャワー室へ。メジャー12年目の36歳は、本来なら新人の初勝利を祝う恒例行事「ビールシャワー」で祝福を受けた。
「1勝目のときも、たぶんやっていない。(ビールが冷たくて)すごく寒かったです。でも良かった。感慨深い」
米コロラド州デンバーの標高は1600メートル。酸素が薄く、打球の飛距離が伸びる〝打者天国〟といわれる。高地特有の空気は変化球に影響し、米データサイトによればスイーパーの曲がりは今季の平均より約15センチ、ツーシームは約8センチずつ横変化が小さかった。
それでも培った技術と経験で粘り、五回まで1失点。六回1死二、三塁で100球を迎えて降板したが、今季5勝目をマーク。日本投手では野茂英雄(123勝)以来2人目の節目に達した。
2012年にレンジャーズへ移籍し、15年に右肘手術を経験。ドジャース、カブスと渡り歩き、21年からパドレスでプレー。今季から、42歳となる27年まで6年の契約延長を結んだ。
「また大きなけがをすれば投げられなくなる。その意味で野球とパドレスに感謝している。辞めたくなったら辞めます。(その姿勢が)今の自分を支えている」
日米通算200勝にも7勝と迫る。「妻(聖子さん)をはじめ、子供たち、前妻とその子供も含め、ずっと支えられてきて今がある。また次の100勝を目指して頑張ります」と大きな目標を見据えた。