第77回全日本体操種目別選手権女子予選、杉原愛子の床運動 =国立代々木競技場第一体育館(撮影・福島範和) 体操・全日本種目別選手権第1日(10日、国立代々木競技場) 世界選手権(9~10月、ベルギー)の代表最終選考会を兼ねた大会。予選が行われ、女子で2016年リオデジャネイロ五輪、21年東京五輪の代表で、昨年競技生活を一区切りした杉原愛子(23)=武庫川女子大=が、床運動の予選に出場。12・966点の全体3位で11日の決勝に進んだ。「約1年ぶりの大会でめっちゃ緊張はあったんですけど、それ以上に楽しさの方が大きかった。ファンの皆さんにも手拍子とか応援とかもしていただけたので、感謝の気持ちでいっぱいです」と満面の笑みで振り返った。
映像審査によって資格を得て、昨年のこの大会以来の試合出場。映画「007」と、Nissy(AAA・西島隆弘)の「NA」を組み合わせた曲に乗り、ノリノリで演じた。観衆に拍手を求め、会場が一体になる場面も。「ファンの皆さんと一緒に盛り上げたかったので、実現できてめっちゃ気持ちよかったです」。大歓声に包まれてほぼノーミスで予選を通過した。
昨年のこの大会後に競技生活を一区切り。その後は、武庫川女子大や同付属中学などでコーチを務めるかたわら、5月のNHK杯ではリポーター、その他大会で審判もしているという。今回出場に至った経緯は、母・智里さんの「出てほしいなあ」の一言だった。「自分自身、指導もエキシビジョンも、二刀流でやらせていただいていて、体は動いていたから、準備はできていました」と明かした。
今後も試合には出場しながら、コーチ業も続けていく。「自分の演技を通して体操の魅力や楽しさを伝えていきたい。大会をライブのように盛り上げて、一つのエンターテインメントにしたいので、エンターテイナーとして盛り上げていきたい」と覚悟をにじませた。