阪神タイガースの若手が住まう寮「虎風荘」。以前は甲子園球場の目の前にあり、1992年の〝亀新フィーバー〟の頃は連日、女性ファンが押し寄せていたと聞く。桧山進次郎さんもルーキーイヤーの1年間暮らしたが、当時、自室で窓ガラスを鏡がわりにして素振りをしていると、寮長が飛んできて「カーテンを閉めろ!」と注意されたそうだ。姿が見えると、外にいる女性ファンが大合唱しちゃうから。
現在の虎風荘は甲子園球場から南に下った鳴尾浜にある。ファームが試合をする鳴尾浜球場のすぐ隣だから〝通勤〟は数十秒というめちゃくちゃ至便な場所だ。副寮長の西口裕治さんによれば「できたのは1994年秋。年が明けて入寮のときに阪神淡路大震災が起こったんや」とのこと。その当時はブルペン捕手だった西口さんは選手時代は寮生活を経験した。「前の寮は部屋にクーラーがなかったんや。お金持ってる先輩は自分でクーラー買って付けてたんで、夜は先輩の部屋に寝に行ったりしてたなぁ(笑)。今はもちろん冷暖房完備やけど」と、若手時代の話を明かしてくれた。
新しいグラブ持参で入寮した阪神・D1位・森下翔太虎風荘は2階の入り口を入るとロビーや応接セットがあり、食堂、サウナ付きの風呂、多目的ルーム、そして各自の部屋が32室ある。部屋の広さは約8畳でベッド、机、クローゼットが備え付けられている。「食事は栄養士さんがちゃんと管理してくれてるし、夜食もちょっとしたものは食べられる。ウーバーイーツを頼む選手もいるよ(笑)」。イマドキだなぁ。
では〝虎風荘ライフ〟をルーキーくんたちに聞いてみよう。
◆D1位・森下翔太外野手(中大)
まぁ普通かなと思っています(笑)。大学時代は2人部屋だったので、1人部屋だったり食事の量っていうのはプロの環境のほうが全然いいですね。食事はいろんなメニューが出ます。とくにこれが好きとかはないんですけど、出てきたものを万遍なく食べますね。
部屋のこだわりはまったくないです。住めればいいかなって感じ。趣味も別にないので、部屋ではテレビや携帯を見たりストレッチをしたりくらいで、あとは自分のビデオを見たりですかね。野球のために生きてるって感じですね。