声を張り上げて投球するDeNA先発・トレバー・バウアー(撮影・榎本雅弘) (日本生命セ・パ交流戦、オリックス-DeNA、初対戦、9日、京セラ)茫然(ぼうぜん)自失の表情でスコアボードを見つめた。DeNA先発のバウアーが思いもよらぬ失点を許した。0―0の二回1死から中川圭に右前打を浴び、その後2死二塁のピンチを背負った。紅林に投じた初球は155キロの直球だったが、捕手・伊藤とサイン違いで伊藤がミットに当てるも後逸。二走に一気に本塁を陥れられた。
「全ての打者を三振に取るという気持ちで、できるだけ多くのファンを楽しませる投球をすることが自分のゲームプラン」と自信ありげに話していた右腕。5月3日の広島戦(横浜)で7回7安打1失点の好投で初登板勝利。しかし、その後は順応に苦しみ2戦連続で不本意な投球が続いた。それでも前回登板の3日の西武戦(横浜)で8回3安打2失点、10奪三振と真価を示した。
1―1の四回には頓宮に甘く入ったナックルカーブを左翼席へ運ばれ勝ち越しソロを許したが、最速159キロの直球と多彩な変化球で的を絞らせない。味方打線が六回に逆転するまで粘り強く腕を振り続けた。
オリックス・山本の実力に目を付けており、「山本と対戦してみたかった。彼の投球を見ることが好き。彼とどこまで渡り合えるか試してみたかった」とも話したバウアー。一歩も引かずにマウンドに君臨し続けた。(横山尚杜)