4日の西武戦の八回、DeNA・楠本泰史が適時二塁打を放つ 間違いなく「代打の切り札」といえる活躍を見せている。DeNAの6年目、楠本泰史外野手(27)。ここまで25試合に代打で起用され、打率・318(22打数7安打)、今季全13打点中12打点を代打でたたき出している。
真骨頂は4日の西武戦(横浜)。0―4の八回に1点差に迫り、なお1死二塁でソトの代打として起用されると、ティノコの初球、157キロを迷わず振り抜き左翼線へ同点の適時二塁打を放った。代走を送られ「出場時間にしたら、プレーがかかってから10秒くらいですけど」と笑顔で振り返る、まさに〝必殺仕事人〟の姿だった。
もっとも、開幕当初は中軸で起用されていた。「もちろんスタメンで出られない悔しさはあります。でも、それを招いたのは自分なので」。期待されながら、開幕から14打席無安打。守備でのミスもあり信頼をつかめなかった。「それでも使ってもらっているので、監督の思いに何とか応えたいと思って」と1打席にかけてきた結果が、代打での勝負強さにつながっている。
重ねた代打の経験で、得たものもある。状況によっては、中軸を打つ桑原、ソトの代打としても起用された。「まさかクリーンアップの代打で起用されるなんて、もちろんそういう場面で起用してもらえることはうれしいですけど、代打を出される方の気持ちを考えたら、中途半端な準備、練習では入れない」。もちろん、これまでも準備を怠ったことはない。それでも、立場が一層の責任感を楠本に与えた。