昨日の敵は今日の旅仲間? 激闘から一夜明け、リンウン寺でつかの間の観光を楽しむ藤井棋聖(右)と佐々木七段=6日午前、ベトナム・ダナン(撮影・鴨川一也)
ギャラリーページで見る【ダナン(ベトナム)6日=山内倫貴】将棋の第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催、ヒューリック特別協賛)で4連覇を狙う藤井聡太棋聖(20)=七冠=が当地での第1局に勝利して一夜明け、挑戦者の佐々木大地七段(28)とともに世界遺産のホイアン市などを訪問した。この日は終始笑顔でリラックスムード。帰国を前に、23日の第2局に向けて英気を養った。
対局時の和服姿から一転、この日はカジュアルなポロシャツ姿。藤井棋聖は国際貿易で栄えた古都ホイアンを散策した印象を聞かれると、〝長考なし〟で話し始めた。
「16~17世紀に貿易港として栄えた街ということで、建物も当時のものが多く残っていて、本当に鮮やかな町並みで、とても楽しかったです」
ホイアンは1601年、徳川家康の朱印船貿易で関係を深め、旧市街は黄色の外壁と色鮮やかなちょうちんの美しさが特徴。棋聖戦第1局の会場、ダナン三日月から南に約37キロの距離にある。
昼食もホイアンで、同地の名物料理で蒸し餃子のホワイトローズや揚げ春巻きなどに舌鼓。お気に入りはエビの甘みとぷりぷりの食感のホワイトローズで、「おいしくて食べ過ぎました」と笑った。
ダナンではパワースポットで知られる五行山、リンウン寺も訪問。五行山は鋭利な5つの連山で、中国四大奇書「西遊記」の孫悟空が閉じ込められたという伝説が残る。孫悟空については「予習不足でして…」。メインの山である水山(標高約100メートル)で険しい洞窟に入ると、ひげの長い神様が将棋に似たシャンチーで対戦する像と遭遇。「シャンチーはやったことないです」と、興味津々に眺めた。