リーグワンで力強い突進を見せる中村。自身2度目のW杯で日本の先頭に立つ 9月8日開幕のラグビーW杯フランス大会に挑む日本代表を多角的に取り上げる連載「Our Team」(私たちのチーム)は、CTB中村亮土(32)=東京SG=に迫る。日本代表は12日から千葉・浦安市で合宿を行い、目標に掲げる4強入りに向けて本格的に始動。中村は2度目のW杯出場を目指す。
「挑」をテーマに掲げる2023年。CTB中村亮は、自身2大会連続となるW杯出場に向けて意を強くした。
「今回は一経験者としても、引っ張っていく立場でやっていかないといけない」
左腕などにしびれが出るようになり、昨年6月に首のヘルニアの手術を受けた。順調に回復し、迎えた秋のテストマッチ。ともに先発出場したがイングランド戦は13-52、フランス戦は17-35で完敗し「ぼこぼこにされた。フィジカルでもっと戦わないといけないと思い知らされた」と課題を突き付けられた。
今季は筋トレと食事で体重が92キロから2キロアップ。「体重は増えたけど、しなやかな動きが出てきた」と効果を実感する。東京SGはリーグワンで4位と悔しさが残ったが、16試合に出場して強烈なタックルを相手に見舞うなど役割を全うした。
ベスト8入りした19年W杯日本大会は「怖いもの知らずというか、ただがむしゃらにやっていた」という。あれから4年。20年6月には「時間も取れるし集中できる」とプロ選手になり、チームでは2シーズン、主将を任された。今月3日に32歳となり、重ねた経験をグラウンドで生かす。
12日にW杯に向けた日本代表合宿がスタートする。「大事な時期になってきた。成長した姿を見せられるように頑張りたい」。秋のひのき舞台に向け、ギアを上げる。(石井文敏)
■中村 亮土(なかむら・りょうと) 1991(平成3)年6月3日生まれ、32歳。鹿児島市出身。鹿児島実高1年でラグビーを始め、帝京大―サントリー(現東京SG)。帝京大では主将で大学選手権5連覇。U―20(20歳以下)日本代表、ジュニア・ジャパン。13年に日本代表デビューし、19年W杯など33キャップ。182センチ、94キロ。