八回、大谷は右翼フェンス直撃の適時二塁打で決勝点をたたき出した(共同) 【ヒューストン(米テキサス州)4日(日本時間5日)=丹羽政善通信員】借金危機を阻止! 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)は敵地でのアストロズ戦に「1番・DH」で出場。1―1の八回に右翼フェンス直撃の勝ち越し二塁打を放った。大谷の活躍でチームは2―1で勝ち、同じア・リーグ西地区のライバルを相手に、連敗を3で止めた。
チームの苦しい状況を救ったのは「投手・大谷」ではなく「打者・大谷」だった。1-1の八回。それまでの3打席は凡退していた大谷が、2死一塁で打席へ立った。フルカウントからの6球目-。今季ここまで24試合に登板し、防御率0・98と圧倒的な数字を残してきた救援右腕、メイトンの真ん中低めのカーブを捉えた。
アストロズに勝利し、チームメートとタッチを交わすエンゼルス・大谷(右端)=ヒューストン(共同)ラインドライブがかかり過ぎて、わずかに本塁打にはならなかったものの、右翼フェンスを直撃する今季10本目の二塁打。スタートを切っていたネトが生還すると、二塁に達した大谷は、何度もベンチに向かって拳を突き上げた。
「打ててよかったです。勝ててよかったです」
大谷は試合後、広報を通じてコメントしただけだったが、ネビン監督は「メイトンは左打者にとっても厄介な投手なのに、翔平は相手の攻めをしっかり理解して攻略した」と絶賛した。
負ければ今季初の4連敗、4月20日以来の借金を背負うところも、大谷の一打が阻止。直後の八回2死からは守護神のエステベスを投入するなど懸命の継投で逃げ切り、貯金を再び1とした。
また、大谷の次回先発は、中6日で9日の本拠地でのマリナーズ戦に決まった。同学年の鈴木誠也(カブス)との対戦は消滅したが、その後再び中5日で投げ続けると、オールスターゲームを挟んで10日ほどの休みになる予定。目先ではなく、勝負の後半戦も見据えた上での判断といえる。