愛用のすね当てを手に写真に写るシェーン・クライファート。右にはバルセロナ時代の父、左には自身のイラストが入っている 【No Ball、No Life】U-16(16歳以下)インターナショナルドリーム杯が福島・Jヴィレッジで5月31日から6月4日にかけて行われた。日本、オランダ、米国、ナイジェリアの4カ国が総当たりで戦い、日本が優勝を果たした。
惜しくも準優勝に終わったオランダのメンバー表には、聞き覚えのあるファミリーネームの選手がいた。FWシェーン・クライファート(15)=バルセロナ下部=は、元オランダ代表FWパトリック・クライファート氏(46)の四男。5月31日のナイジェリア戦と4日の日本戦に先発し、全3試合でピッチに立った。
4歳から地元のクラブでサッカーを始めたというシェーンの武器は「スピードとアジリティー(敏しょう性)」。父は身長191センチの大型センターフォワードとして鳴らしたが、息子は身長170センチのウインガーで、ナイジェリア戦ではサイドをドリブルで突破してクロスを上げるなど大器の片鱗(へんりん)を見せた。
母国の有名選手を聞かれると「ロッベン、ファン・ペルシー」と挙げたあとに「僕の父も」と誇らしげに語ったシェーンは憧れの父とともに戦っている。愛用のすね当てには右に自身の、左にはバルセロナ時代の父のイラストが描かれている。「父が僕に力をくれるシンボルのようなものです。ゴールを取るのを助けてくれる。精神的なものだけど、僕は信じているよ」と笑顔で話すと、背負っていたリュックに大事そうにすね当てをしまった。
将来の夢は、もちろんプロサッカー選手だ。「目標は、W杯とチャンピオンズリーグ(CL)の両方で優勝することです。そのために、毎日もっと上達しようと自分を追い込み続けています」。父はプロデビューした1994-95シーズンにオランダの名門アヤックスでCL制覇をしたが、W杯では頂点に立てず。父が成し遂げられなかったW杯優勝を目指して早ければ2026年の北米共催大会で、シェーンがピッチに立つかもしれない。(山下幸志朗)