ヤクルトは6月に入って波に乗ってきた。月が替われば流れも変わるもので、青木と山田の存在が大きい。2人とも芯があるようなスイングになってきた。山田はもう少しの部分があると思うが、41歳の青木があれだけ頑張っているから打線が「線」となっている。
42歳まで現役を続けた私の晩年は代打ばかりだった。青木は体調不良で多少の離脱はあったが、スタメンで出て結果を残すということは体のつくり方、状態の持っていき方がうまいのだろう。
ここ3試合は1番に山田が座っている。青木が元気に3番を打てるような状態だからこその打順だ。外す理由はない。1番に山田がいれば、下位打線で好機をつくってかえすこともできる。得点圏打率は・091と高くないが、相手にとっては嫌な並びだ。
今週は2カードともビジター(ZOZOマリン、ベルーナ)なのでDHが使える。オスナ、サンタナの両外国人の調子がいいので、青木と山田でうまくDHを回して、疲労を取りながら出続けられればいい。4番の村上も復調。得点圏でも無理に引っ張らずにセンター方向への打球が増えてきた。打率も上がってくるだろう。そうなってくれば、なおさら前を打つ青木と山田の役割が重要になる。
中村の頑張りも大きい。犠打をしっかり決めるし、進塁打も打てる。チャンスメークをするだけでなく適時打も打つ。何より、野球を知っている。下位打線でしっかり仕事をしてくれれば、打線はもっとうまく回るはずだ。(サンケイスポーツ専属評論家)