七回、ロッテ・山口(奥)に3ランを浴びた阪神・浜地。田尾氏は七回から勝ちパターンでいくべきと話した(撮影・水島啓輔) (日本生命セ・パ交流戦、阪神7-7ロッテ=延長十二回規定により引き分け、3回戦、阪神2勝1分、5日、甲子園)死闘ドローも、4番のアーチが出た試合は勝たないと…。中日、西武、阪神で活躍し、楽天の初代監督を務めた田尾安志氏(69)=サンケイスポーツ専属評論家=は6-4の七回、阪神ベンチの浜地真澄投手(25)の起用を疑問視。大山の逆転弾でリードしていただけに、残りの3イニングは「勝ちパターンの投手でいくべきだった」と指摘した。
一番気になったのは、6―4でリードしている七回から浜地を3番手で起用したところだ。勝ちパターンで残りの3回をいくべきだった。
貯金が「18」あったからこういう投手起用になったんだろうけれど、少し余裕をかましたなと思う。今年の浜地の成績を考えれば(試合前時点で防御率6・92)、ちょっとどうなのかなと。貯金がこれほどなければ、違った継投策になったはずだ。
岡田監督の頭の中には、長いシーズンを見据えて、できる限り疲れをためないように、全員の力を借りながら戦っていこうという考えがあると思う。でも、4日に才木が完封勝利を挙げたことで、ブルペン陣は完全に休むことができていた。だから、この日は中継ぎをどんどん使っていける、いくべき試合だった。
浜地が逆転を許した後、4番手が西純だったのも…。阪神は1点でもリードを許すと、あまりいい投手を使わない傾向がある。無得点に抑えたものの、3四球を与えて綱渡りのような投球だった。内容的にはほめられたものではない。
4番の大山が逆転本塁打を放ったこういう試合は、しっかり勝たないといけない。リードしている状況はもちろん、逆転されたところでも、七回の投手起用は攻めていくべきだ。梅野の状態が上がってきて、今は点を取れる打線になっている。
八回に1点を取って追い付いて、結局は九回に岩崎、延長十回に加治屋を投入することになった。それならば、七回から勝ちパターンの加治屋でいけばよかった。そこから後手後手に回ってしまって、9連戦の3戦目で延長十二回までもつれる試合になってしまった。勝てそうなゲームを勝ち切る。結果論ではなく、湯浅を含めた3人が七、八、九回を投げるべきだった。(サンケイスポーツ専属評論家)