一回、村上は中村の適時打で二塁から生還。背中と声でチームを引っ張っている(撮影・今野顕) ヤクルトは4日、楽天2回戦(神宮)に5―2で勝利。1分けを挟んでの連敗を12で止めた1日の日本ハム戦(エスコン)から3連勝とし、セ・リーグ最下位を脱出した。村上宗隆内野手(23)が一回に先制の中前適時打を放ち、勝利への勢いをもたらした。今季9度目の勝利打点となり、12球団単独最多に浮上。6月は打率.333(12打数4安打)と上向きな主砲のバットとともに燕が上昇気流に乗った。
大きく目を見開き、ひと振りで仕留めた。一回1死一、二塁。村上が外角低めの直球を振り抜いた。先制の中前適時打。勝利への道筋を描いた一打に、観衆2万9602人が集まった神宮が歓声と拍手に包まれた。
「先制点がすごく大事だったので、取れてよかった。打者有利のカウントだったので、迷わず思い切って打ちました」
楽天D1位・荘司(立大)との初対決。2、3番に連続四球と制球が定まらない新人に対し、カウント3―1から積極的に振り、ファーストスイングで捉えた。「初対戦は慣れっこ。いろんなところで経験している」と培ってきた場数がものをいった。背番号55が火付け役となった打線は一回に一挙3得点。4番にはひと振りでチームを勢いづける力がある。
今季9度目の勝利打点。ソフトバンク・栗原を上回り、12球団単独最多となった。打率・223はリーグ28位で10本塁打は2位タイ、31打点は4位タイと昨季の三冠王はまだ本来の姿ではないが、勝負強さは際立っている。6月は打率・333(12打数4安打)と完全復調の気配を漂わせてきた。
村神様が背中と〝声〟でチームを鼓舞している。村上は3日の楽天戦(神宮)から試合前の声出し役を担当。通常、験を担いで連勝中は同じ選手が務めるが、連敗を12で止めた1日の日本ハム戦(エスコン)で声出し役を担った西浦が3日からベンチを外れ、バトンを受け継いでいた。